2013年12月8日日曜日

尖閣戦争の行方:尖閣諸島という“石ころ”のための戦争など割に合わない

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●7日、環球時報は記事「沙祖康:尖閣という“石ころ”のための戦争は割に合わない」を掲載した。日本も中国も戦争を望んでいない以上、あらゆる手段を駆使して衝突を回避するべきと主張した。写真は中国空軍の軍事演習。


レコードチャイナ 配信日時:2013年12月8日 18時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80209&type=0

元中国外交官:尖閣諸島という“石ころ”のための戦争など割に合わない―中国

 2013年12月7日、環球時報は記事
 「沙祖康:尖閣という“石ころ”のための戦争は割に合わない」
を掲載した。

 元中国外交官、元国連副事務局長の沙祖康(シャー・ズーカン)氏は7日、北京で開催された環球時報社主催のシンポジウム・環球時報2014年年会に出席した。
 席上、沙氏は米国も中国も日本も日中の民族的衝突を望んでいない、尖閣諸島という石ころのために戦争するのは割に合わないとして、あらゆる手段を尽くして衝突を回避するべきだと提言した。

 また、中国の東シナ海防空識別圏については、防空識別圏の設定は中国の主権に属する行為であり、西側諸国は(中国の台頭という)時制を理解して、中国のやり方に慣れるべきだと主張した。



サーチナニュース 2013/12/07(土) 18:44
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1207&f=politics_1207_002.shtml

尖閣のような島のために日中が開戦しては割に合わない=中国識者

  国連で事務次長を務めた中国の沙祖康氏は7日に北京で開催されたフォーラムにおいて、東シナ海をめぐる日中の対立について、
 「中国と日本の軍事衝突を全力で阻止しなければならない。
 釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)のような島のために開戦することは割に合わない」
と述べた。
 8日付で東方早報が伝えた。

  沙祖康氏は「偏狭なナショナリズム」と「愛国主義」を混同してはならないとし、
 「中国と日本の民族間衝突を全力で回避しなければならない。
 釣魚島問題が招いた中日の緊張は両国の政府および国民の目が覚めるまで待つ必要がある
と強調した。

  また、中国が設定を宣言した防空識別圏について、沙祖康氏は「防空識別圏の設定は中国の主権に基づく行為」とし、日米に理解を求めた



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月9日 5時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80222&type=0

キッシンジャー、「中国防空識別圏」を黙認?
――「日本は尖閣諸島を盗み取った」と語る


●中国の中央テレビ局CCTVは「キッシンジャー、釣魚島紛争問題に関して語る」と題して報道。キッシンジャー米元大統領補佐官は「中国が設定した防空識別圏に関して、私は特定の立場には立たない」と事実上の黙認発言をした。写真は日米中3首脳と中国防空識別圏。

◆キッシンジャーの常軌を逸した発言

 2013年12月5日、中国の中央テレビ局CCTVは「キッシンジャー、釣魚島紛争問題に関して語る」と題した数分間に及ぶニュースを報道した(釣魚島は尖閣諸島のこと)。キッシンジャー(90歳、元米大統領補佐官・国務長官)は
 「中国が設定した防空識別圏に関して、私は特定の立場には立たない。
 なぜなら世界44カ国が同様の防空識別圏を設けているという事実を忘れてはならない」(概略)
と、事実上の黙認発言をした。

続けてCCTVのナレーターによるものだが、キッシンジャーは概ね次のように語ったという。
(1).1895年に日本は中国から釣魚島を盗み取った。
(2).第二次世界大戦後、中日両国はそれぞれ、釣魚島は自国の領土だと主張した。
 しかし米中はまだ外交関係を築いていなかったので、アメリカは「釣魚島の領有権問題は“棚上げ”にしておけ」と提議していた。
(3).にもかかわらず日本が釣魚島を国有化してしまったので、今日の日中両国間の摩擦を招いている。

 ニュースはランチミーティングのような画面を流していたので、英文情報で検索してみたところ、これは現地時間12月4日にワシントンで開かれたThe Asia Pivot(アジア要点)ランチミーティングにおける発言だったことが判明。

 キッシンジャーのあまりに常軌を逸した発言に、筆者は釘付けとなった。

 周知の如く、1884年、実業家の古賀辰四郎の申請を受けて、1885年に明治政府が尖閣諸島の現地調査に入っている。
 すると清国の「申報」という新聞が1885年9月6日に、尖閣諸島に関する日本側の動きを報道(拙著『チャイナ・ギャップ 噛み合わない日中の歯車』p169参照)。
 にもかかわらず、日本が尖閣諸島を沖縄県に編入することを閣議決定した1895年1月14日までの10年間もの長きにわたって、清王朝(光緒帝、実権は西太后)は何一つ文句を言ってこなかった。

 日清戦争の講和条約である下関条約を締結したのは1895年3月。条約交渉の議事録を筆者は詳細に分析したが、そこにも尖閣に関する話は一文字も出てきていない(同拙著p158参照)。
したがって日本はドサクサに紛れて盗み取ってはいないのである。

 また中国は1960年代まで尖閣諸島を含めた沖縄県を日本の領土として公言している。
 主張を変えたのは1971年10月に国連加盟した2カ月後の同年12月30日だ。
 尖閣地域に海底資源があることをECAFE(国連アジア極東経済委員会)が報告した1969年5月以降のことでもある。

 アメリカ側は「棚上げにしろ」と提議したというキッシンジャーの発言を受けて、筆者は「キッシンジャー・周恩来密談」(1971年)の記録を読み返してみたが、少なくとも密談では「棚上げ」に関する提案を見い出すことはできなかった。
 もしこのとき(沖縄返還に当たって)アメリカが「棚上げ」を提案したのであれば、当然、同盟国である日本に通知していなければならないはずだ。
 日本の未公開資料の中に眠っているのか、あるいはキッシンジャー(もしくはCCTVのナレーター)が虚偽の事実を言っているのか、今後検証されなければならない。
 ただ確実に言えるのは、中国の防空識別圏を黙認しているのはキッシンジャーひとりではないということである。

◆日本と足並みを揃えていないアメリカ
 
 ワシントンでAsia Pivotが開催された同じ日の12月4日、ヘーゲル米国防長官は国防総省で記者会見し「中国の防空識別圏設定自体は新しくも珍しくもない」と述べた。
 その上で「手続きがまずい」と付け加えはしたものの、基本的には中国の防空識別圏設定を黙認したキッシンジャーの意向とほぼ足並みを揃えた形だ。
 
 日本時間の12月4日に安倍首相と会談したバイデン米副大統領は、「懸念を示す」とは言ったものの、日本政府のように「撤回を求める」という強い表現をしたわけではない。
 中国側に「懸念」を伝えると安倍首相には約束したが、中国側の報道によればバイデンはもっぱら中国が唱える対米戦略である「新型大国関係」を礼賛し、「米中関係は21世紀における最も重要な2国間関係だ」とまで言明したとのこと。

 どの報道を信用するかは別として、少なくともアメリカは民間航空機のフライトプランに関する中国への通告を容認しているという事実は重要だ。
 この時点で政治外交的にはアメリカの敗北だと言っていいだろう。
 中国は「アメリカが中国の防空識別圏の存在を重視した(従った)」として「勝利」を叫んでいる。

 またバイデンの主張で最も注目しなければならないのは、偶発的な衝突を回避するための「日中間の危機管理メカニズムの構築」を提唱したことだ。
 偶発的衝突は回避されなければならないものの、実はこれこそは「中国の思う壺」なのである。

◆日本は日米間の距離感に敏感になった方がいい 

 本コラム第3回(2013年10月9日『<遠藤誉が斬る>中国はなぜ日中首脳会談を拒否するのか?―「強気」を支える米重大リポートを暴く』)で触れたように、アメリカ政府は「尖閣諸島の領有権紛争に関しては、どちらの側にも立たない」と宣言している(1971年、ニクソン政権時代から今日まで)。
 つまり「危機管理メカニズムの構築」は、日本の領土である尖閣諸島の領海にも領空にも「紛争がある」というアメリカの立場を、「中国」を媒介として、否応なしに日本に認めさせることにつながっていく。
 中国にとって、こんな「うまい話」はない。

 アメリカは「どちらの側にも立たない」ことによって日中間の戦争に巻き込まれたくないと思い、同時に「中国」という「おいしいケーキのおすそ分け」を欲しいとも思っているが、しかし日米安保条約がある。
 その条約がカバーするとしている尖閣諸島に関して、日本は「領有権問題は存在しない」と主張し、アメリカは「領有権紛争がある」とするだけでなく、「どちらの側にも立たない」と宣言している。この違いを日本は見て見ぬふりをしている。
 その違いを認識すれば、米中の論理に引きずり込まれていく。
 だから日本は口をつぐんでいるのだろう。

 中国の防空識別圏設定は、アメリカの存在感の弱体化と日米同盟のこの間隙を狙った、実に巧妙なシグナルと筆者には映る。
 日米同盟は基軸であるものの、日本は日米間の距離感に敏感になった方がいいだろう。

(<遠藤誉が斬る>第13回)
遠藤誉(えんどう・ほまれ)
筑波大学名誉教授、東京福祉大学国際交流センター長。1941年に中国で生まれ、53年、日本帰国。著書に『ネット大国中国―言論をめぐる攻防』『チャイナ・ナイン―中国を動 かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ毛沢東になれなかった男』『チャイナ・ギャップ―噛み合わない日中の歯車』、『●(上下を縦に重ねる)子チャーズ―中国建国の残火』『完全解読「中国外交戦略」の狙い』など多数。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月11日 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80282&type=0

中国VS日米の戦争シミュレーション、
「尖閣諸島は戦火でなくなり万事解決」―米誌


●6日、雲南テレビによると、米科学技術専門誌ポピュラーメカニックスは、中国の防空識別圏設定により緊張が高まる東シナ海で、日米中が開戦した場合のシミュレーションを行った。資料写真。

 2013年12月6日、雲南テレビによると、米科学技術専門誌ポピュラーメカニックスは、中国の防空識別圏設定により緊張が高まる東シナ海で、日米中が開戦した場合のシミュレーションを行った。
 以下はその概要。

1].戦争は無人機が尖閣諸島(中国名:釣魚島)上空に進入することから始まる。
2].日本が自衛隊機を派遣して、中国の無人機を撃墜
3].そのあと、日中は部分的な空戦を展開する。
4].戦闘で、中国軍機は6機撃ち落とされ、日本はF15戦闘機が2機、米国はF22ステルス機が1機撃墜される。
 その後、日中双方の外交官がどのように緊張を和らげるかについて議論しているさなか、
5].中国は潜水艇で尖閣諸島周辺の海域に水雷を仕掛けようとするが、日米に撃沈される。
 これが戦争をエスカレートさせることになる。
 戦争は最終的にこう着状態で集結するが、尖閣諸島の所有者は誰かという核心的な問題も解決する。
 なぜならそれらの島々は、激しい戦闘によって形をなくしてしまうからだ。

 これはあくまで簡単なシミュレーションである。
 日中双方が軍備を拡大しており、最終的にどちらが勝利するかは予測が難しい。
 現実的に、日中の東シナ海での衝突の危険が増すことは避けられない。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月13日 11時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80470&type=0

日本のさらなる挑発!中国外交部、外務省の「尖閣動画」9カ国語追加を批判―中国メディア




●12日、中国外交部の洪磊報道官は、日本・外務省が尖閣諸島の主権を訴える動画に9言語を追加したことに対し、抗議した。写真は尖閣諸島の主権を訴える中国の広告。

 2013年12月12日、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は、日本・外務省が尖閣諸島の主権を訴える動画に9言語を追加したことに対し、抗議した。
 新華社通信が伝えた。

 洪報道官は、
 「これは日本側のさらなる挑発行為だ。
 中国は断固として反対する。
 本がいかなる手段を取り主権を主張しても、釣魚島(尖閣諸島)が中国の領土である事実は変わらない。 
日本は一切の挑発行為をやめ、対話により問題を解決する道を歩むべきだ」
と批判している。





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