2013年12月15日日曜日

日本とASEANが共同声明:共同声明受け中国に撤回要請方針

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●安倍首相「地域の緊張は誰の利益にもならず」


●特別首脳会議で共同声明 対中国でASEANと連携


NHK ニュース 12月14日 18時43分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131215/t10013839711000.html

日本とASEANが共同声明

 日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議は全体会合を開き、中国による防空識別圏の設定を念頭に、飛行の自由や安全を確保するため日本とASEANが協力を強化することなどを盛り込んだ共同声明を発表しました。

 日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議は、14日、東京の迎賓館で、安倍総理大臣と加盟10か国の首脳らが出席して全体会合が開かれました。
 この中で安倍総理大臣は、中国が沖縄県の尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返していることや、東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定したことを念頭に、
 「一方的な行為により現状を変えようとする動きや、自由な飛行を基礎とする国際航空秩序に制限を加えようとする動きは強い懸念材料だ」
と指摘しました。
 そのうえで、安倍総理大臣は
 「すべての関係国が国際法を順守すべきだ」
と述べ、法の支配の重要性を強調しました。

 また、安倍総理大臣は、2015年の経済共同体の発足を目指すASEANを支援するため、5年間で2兆円規模のODA=政府開発援助を行うことや、経済共同体の準備のために設けられた基金に新たに1億ドルを拠出することを表明しました。

 このあと安倍総理大臣は、共同議長を務めるブルネイのボルキア国王と共に記者会見し、共同声明などを発表しました。
 それによりますと、中国による防空識別圏の設定を念頭に、
 「国際法の普遍的な原則などにしたがって、飛行の自由や民間航空の安全を確保するための協力を強化することで合意した」
としているほか、中国が東シナ海や南シナ海で海洋進出を強めていることを踏まえ、
 「紛争の平和的手段による解決を推進する重要性を強調した」
としています。
 さらに、日本とASEANのEPA=経済連携協定の交渉について、新たに「投資」と「サービス」の2つの分野で実質的な合意に至ったことを明記しています。
 記者会見で安倍総理大臣は「日本とASEANの協力関係は、二国間にとどまらず、地域、国際社会における協力へと広がりつつある。特別首脳会議を通じて、日・ASEAN関係が新たな次元に押し上げられたと確信している」と述べ、会議の成果を強調しました。



■共同声明の概要

 全体会合のあと発表された共同声明には、地域の安全保障や地球規模の課題に対する取り組みなどが盛り込まれています。

 この中では、中国が東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設置したことを念頭に、「国連海洋法条約を含む国際法の普遍的な原則や、国際民間航空機関=ICAOによる基準、推奨される慣行にしたがって、飛行の自由と民間航空の安全を確保するための協力を強化する」としています。

 また、海洋の安全保障については、「国際法の原則にしたがい、紛争を平和的手段により解決する」としたうえで、中国が南シナ海で海洋進出を活発化させ、島々の領有権を主張していることを踏まえ、南シナ海における行動規範に関するASEANと中国の協議の重要性を強調しています。

 一方、経済については、「日本経済の再興が、地域と世界経済に大きな利益をもたらす」としたうえで、日本とASEANのEPA=経済連携協定の交渉で、新たに「投資」と「サービス」の2つの分野で実質的な合意に至ったことや、RCEP=東アジア地域包括的経済連携協定などの地域経済連携を引き続き強化することが明記されました。

 さらに、フィリピンで大規模な台風災害が起きたことを踏まえ、防災分野で協力体制を構築し、この地域の減災の能力を向上させることの緊急性を確認したとしています。

 このほか、全体会合では安全保障や経済など4つの分野の中長期の協力の在り方をうたった「日・ASEAN友好協力宣言」も採択され、空と海のつながりに関する協力を強化し、国際法などにしたがって、海上の航行や飛行の自由を確保することが明記されました。



NHK ニュース 12月15日 5時57分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131214/k10013835781000.html

共同声明受け中国に撤回要請方針



 政府は日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議で、中国による防空識別圏の設定を念頭に飛行の自由や安全を確保するための協力を強化するなどとした共同声明がまとまったことを受けて、中国に対して引き続き一切の措置の撤回を求めていく方針です。

 日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議は14日、安倍総理大臣や加盟10か国の首脳らが出席して全体会合を開き、共同声明を発表しました。
 共同声明では
▽.中国による防空識別圏の設定を念頭に、飛行の自由や安全を確保するための協力を強化することや
▽.中国が海洋進出を強めていることを踏まえ、平和的な手段によって紛争を解決する重要性が盛り込まれました。

 これを受けて、安倍総理大臣は記者会見で
 「一方的な行為により、東シナ海や南シナ海の現状を変えようとする動きや自由な飛行に制限を加えようとする動きがみられる。この地域の緊張が高まることは誰の利益にもならず強く懸念している」
と述べ、中国をけん制しました。

 特別首脳会議は15日閉幕し、安倍総理大臣は中国との関係が深いとされるラオスやカンボジアの首脳とも個別に会談する予定です。
 政府はASEAN加盟10か国すべてが合意し「共同声明」をまとめることができた意義は大きいとしており、国際社会と連携し中国に対して、引き続き防空識別圏の設定に伴う一切の措置の撤回を求めていく方針です。



ロイター 2013年 12月 13日 18:59 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE9BC03K20131213

日本・ASEANが空の自由に支持表明へ、中国名指しは回避か

[東京 13日 ロイター] -
 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議は、14日発表する共同声明で、公海・公空の自由に支持を表明する公算。
 中国の名指しは避ける見通し。

フ ィリピンのアキノ大統領は13日、安倍晋三首相との会談後、日本とフィリピンは国際空域の飛行の自由確保に専念することを再確認したと明らかにした。

 同大統領は記者団に対し
 「われわれは法の支配を支持し、紛争の平和的解決を促し、国際空域における飛行の自由を確保することへのコミットメントを再確認した」
と述べた。

 大統領は、東シナ海上空に防空識別圏を設定し、国際社会から批判を浴びる中国について言及しなかった。
 中国は、フィリピンと領有権を争う南シナ海の上空にも同様の防空識別圏を設定する可能性を示唆している。

 インドネシアのユドヨノ大統領は演説で
 「良好な日中関係が地域の将来にとって極めて重要だと言う必要がある」
と発言。
 「インドネシアは、論争が公然とした争いに発展し、地域のすべての国に悪影響を及ぼすことを深く懸念している」
と述べた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月15日 12時51分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80532&type=0

中国「悪意をもって中傷された」、日ASEAN首脳会議での安倍首相発言に猛反発―中国

 2013年12月14日、安倍晋三首相が日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議において、防空識別圏をめぐり中国を名指し批判したことに対し、中国外務省は「日本の指導者が悪意を持って中国を中傷した」と強い不満を表明した。
 中国外務省が公式サイトでQ&A方式で伝えた。

Q.:
 安倍晋三首相は日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議において中国を名指し批判し、中国の設定した防空識別圏に対し、
 「公海上空の飛行の自由を妨げる一切の措置の撤回を求めていく」
と発言した。
 これに対し中国の態度は?

A.:
 日本の指導者が国際会議の場において悪意を持って中国を中傷したことに強い不満を表明する。
 尖閣諸島(中国名・釣魚島)は中国の固有の領土。
 昨年から日本は領土問題で挑発をしているが、現状に責任があるのは他でもなく日本自身だ。
 防空識別圏は国際法や国際慣例にのっとり、国家の空の安全を守るためのもの。
  各国民間航空機の飛行は妨げない。
 日本は中国の都合の悪いように国際世論を導こうとしているが、成功しないだろう。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/12/16 09:31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/16/2013121600734.html

中国けん制狙った安倍ASEAN外交、努力実らず

 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国は経済協力の強化には合意したが、中国へのけん制に関しては見解の違いが表面化した。
 日本の安倍晋三首相はASEAN諸国を自分たちの側につけようと1年かけて努力を続けてきたが、ASEANは日本の思い通りには動いてくれなかったのだ。

 東京で13日から15日の日程で開催された日本・ASEAN特別首脳会議は
 「飛行の自由と民間航空機の安全を確保するために協力を強化する」
 「国際法の普遍的な原則に基づき紛争を平和的手段により解決する」
などとうたった共同声明を採択した。

 安倍首相は14日の共同記者会見で、中国による防空識別圏宣言を重ねて批判した。
 しかし会見に同席したブルネイのボルキア国王は安全保障問題には一切言及せず、日本とASEANとの経済協力のみを強調した。
 朝日新聞は
 「首脳会議を前に外務省の幹部はブルネイとカンボジアの政府関係者と共同声明の内容について調整したが、声明には原則的な表現しか入れられなかった」
と報じた。

 一方で安全保障とは異なり経済協力は大幅に強化された。
 安倍首相は今後5年間で2兆円の政府開発援助(ODA)を行うなど、ASEAN向けに大規模支援を行うことを明らかにした。



FNN ニュース (12/16 14:16)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00259810.html

菅官房長官、防空識別圏めぐる中国の「強い不満」表明に反論
 
 14日の日・ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議で、安倍首相が、防空識別圏を設定した中国をけん制したことを受け、中国側が「強い不満」を表明したことに対し、菅官房長官は、記者会見で、
 「中国は、多くの国々が懸念を有している現実を、重く受け止めるべきだ」
と反論した。
 菅官房長官は
 「(中国の防空識別圏設定は)公海上空における飛行の自由を不当に侵害するもので、中国は、国際社会の多くの国々が懸念を有している現実を注視し、これを重く受け止めるべきだ」
 と述べた。
 安倍首相は、14日の会議やその後の記者会見で、中国の防空識別圏設定をけん制し、中国の洪磊副報道局長が
 「中国を悪意で中傷した言論に、強い不満を表明する」
との声明を発表していた。







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