2013年12月29日日曜日

絶対にあってはならない国連の内政干渉:首相靖国参拝…国連事務総長のコメント

_


●28日、中国新聞網は記事「潘基文国連事務総長が安倍首相の靖国神社参拝に言及:日本は他国の国民感情を尊重するべきだ」を掲載した。日本は第二次世界大戦被害者の感情を尊重するべきだとコメントした。写真は潘基文国連事務総長。


2013年12月29日06時47分  読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131228-OYT1T00628.htm

首相靖国参拝、北東アジアが苦悩…国連事務総長

 【ニューヨーク=加藤賢治】
 潘基文(パンギムン)国連事務総長の報道官は27日、安倍首相の靖国神社参拝について、
 「過去に関する緊張が、今も(北東アジアの)地域を苦悩させていることは非常に遺憾だ」
との声明を出した。

 声明は
 「事務総長は共有する歴史に関して、共通の認識と理解を持つよう一貫して促してきた」
と指摘。
 事務総長が被害者の感情に敏感であることや、相互信頼を築くことの重要性を強調しているとして、指導者は「特別な責任」を負っていることを挙げた。



jiji.com (2013/12/28-22:39)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013122800210

「国際社会の信用なくす」=靖国参拝で非難-中国国務委員

 【北京時事】
 中国の楊潔※(※=竹カンムリに褫のツクリ)国務委員(副首相級、外交担当)は28日、安倍晋三首相の靖国神社参拝について談話を発表し、「誤りを認めて正し、実際の行動で劣悪な影響を取り除く」よう要求。
 「さもなくば、アジアの隣国と国際社会の信用をさらになくし、歴史の舞台の徹底した敗北者になるだろう」
と、強い言葉で非難した。

 靖国参拝では王毅外相が26日、木寺昌人駐中国大使を呼び抗議しているが、さらに非難と抗議を強めた形だ。 
 楊国務委員は、靖国参拝について
 「決して日本の内政や個人の問題ではなく、侵略と反侵略、正義と邪悪、光明と暗黒の原則的な是非にかかわる問題だ」
と指摘した。
 その上で
 「各国と日本の国民の根本的な利益を害する危険な道に日本を進めようとしており、国際社会と日本各界の有識者の強い警戒を引き起こしている」
と批判。
 安倍首相に対し「いかなる幻想」も持たず、態度を改めるよう要求した。

 中国国内ではこれまで、目立った反日デモは起きていない。
 中国政府はデモなどによる社会の混乱を避ける一方で、
 国際社会に日本の歴史認識問題を印象付け、安倍首相を孤立させる狙いがあるとみられる。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月28日 20時42分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=81124&type=0

<靖国参拝>
安倍氏は「反米主義者」、
“テロ行為”の参拝は首相としての本質―韓国メディア

 2013年12月28日、韓国・中央日報中国語サイトは、
 「今年10月に行われた日米外務・防衛閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、両国は軍事協力を大幅に強化するとともに、米国は日本に対し“周辺国と衝突を招く靖国の参拝は行ってはいけない”と念を押していたが、日本は米国の忠告に反したことで、米国が“失望した”との声明を発表する事態を招いた」
と報道した。

 米外交筋の情報によると、米政府関係者は安倍氏の靖国参拝に対し驚きを隠せないという。
 中には、「クリスマスのテロ行為」と称する者もいる。
 財政難の米国は中国の台頭をけん制するため、日本の集団的自衛権を認めるなど日本の影響力の拡大を図っていたが、安倍氏の靖国参拝により米国のアジアを中心とした戦略の枠組みが破壊された。

 今回の参拝を契機に、米国内では日米同盟の有効性に疑問を持つ考えが出始めている。
 米民間国際関係研究所ヘンリー・スティムソン・センターの研究員は
 「米日同盟だけでオバマのアジア回帰戦略を推進するのは現実的ではない」
と指摘している。
 さらに、日本国内では安倍首相を「反米主義者」とする見方もあり、日本メディアは、
 「安倍首相は、“日米は対等な関係を築くべき”と考えており、靖国参拝は安倍氏の首相としての本質が浮き彫りとなった」
と伝えている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月29日 16時55分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=81164&type=0

<靖国参拝>「日本は被害者感情を尊重すべき」国連事務総長が苦言―中国メディア

 2013年12月28日、中国新聞網は記事
 「潘基文国連事務総長が安倍首相の靖国神社参拝に言及:日本は他国の国民感情を尊重するべきだ」
を掲載した。

  潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は27日、広報を通じて安倍晋三首相の靖国神社参拝に関するコメントを発表した。
 このなかで潘事務総長は、日本は他国、とりわけ第二次世界大戦の被害者の感情を尊重するべきだと強調。
 東北アジア諸国の相互信頼と緊密なパートナーシップの構築に力を注ぐべきとコメントした。

 また歴史的問題が地域の国家関係に緊張をもたらしたことに遺憾の意を示し、歴史問題について地域の国々が視点と理解を一致させるよう希望していると述べた。



JB Press 2013.12.30(月)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39577

「靖国参拝」抗議は堂々と受けて立てばよい:猪瀬氏辞職と靖国問題をこう考える

12月24日、猪瀬直樹氏がついに東京都知事を辞職した。徳洲会からの5000万円の資金提供について、答弁が迷走し続け、ついに地方自治法第100条に基づく百条委員会の設置まで議会で決められてしまった末の、追い込まれ辞職である。

 12月26日には、安倍晋三首相が靖国神社に参拝した。恒例の中国や韓国からだけではなく、アメリカからも非難の声が上がっている。

 2014年の政治にも関わるこの2つの出来事を考えてみたい。
味方がいなかった猪瀬氏

 猪瀬氏が東京都議会で各会派から厳しく追及される姿を見て不思議に思ったのは、猪瀬氏の味方になる会派が存在しなかったことだ。

 都知事選史上最高の400万票を超える得票を獲得した知事である。決断力もあり、アイデア豊富な知事でもあった。東日本大震災での東京消防庁の救援活動、東京天然ガス発電所プロジェクト、都営地下鉄と東京メトロの一元化、2020年東京オリンピックの招致活動など、その良し悪しは別にしても実に精力的なものであった。

 もちろん徳洲会から5000万円という巨額の資金提供を受けていたというのは、大問題である。だが知事選挙では、公明党、維新の会が猪瀬氏を支持、自民党は支援という立場であった。この3党は猪瀬都政の与党であったはずだ。だが猪瀬氏に救いの手を差し伸べる政党はなかった。

 猪瀬氏は小泉内閣の当時、道路公団民営化推進委員会の委員になるが、「『民営化委員会では、猪瀬氏が官僚や族議員を怒鳴りあげるのが恒例でした』(当時を知る政治部記者)」(「週刊文春」12月5日号)という。また「週刊新潮」12月5日号によると、自民党国会議員が来年度予算案について、都庁幹部から聞き取り調査をした際、猪瀬氏は頭も下げず、ふんぞり返って足を組んだままという横柄な態度を取り、自民党国会議員を激怒させたという。

結局、猪瀬氏は嫌われていたということだ。それだけ敵を作ってきていたということだ。猪瀬氏が、「政治のアマチュアだった」と言うのは、そういうことだろう。政治家であれ、なんであれ、人は可能な限り嫌われないように、そして敵を作らないようにしなければならないということだ。その意味で、これは1つの人間ドラマでもある。
またも争点のない都知事選をするのか

 猪瀬氏は辞職した途端、自民党や公明党などが百条委員会(地方自治法100条に基づいて議会が設置する調査のための特別委員会)の設置を取りやめにしたのは、どういうわけなのだろう。もともと百条委員会の設置は、総務委員会での追及では真相を究明できないからであった。そこで証言や資料の提出を拒否すれば、禁錮刑などの罰則がつく特別委員会の設置をしたはずである。

 これでは都議会は、真相の究明などはどうでもよかった、ただただ傲慢で嫌な奴だった猪瀬氏を辞職に追い込みたかっただけだということになる。

 ところがその後の自民党の対応を見ていると、都政の先行きなど、何も考えていなかったのかと思ってしまう。

 すでに1月23日告示、2月9日投票という都知事選挙の日程も決まっているというのに、自民党からもどこからも知事候補に名乗り出る人すらいない。新聞やテレビで報道される名前を見ても、とても都知事など務まりそうにもないような人の名前が取り沙汰されている。その基準のほとんどが知名度だけである。

 東京都と言えば、財政規模は約10兆円、職員数は16万人を超える規模で世界の国々と比較しても30番目ぐらいに位置する巨大な自治体である。その動向は日本全体にも大きな影響力を持っている。

 たとえば東京一極集中問題である。「地方の時代」などというコピーもあったが、現実には人も、富もますます東京に集中している。大企業は、東日本大震災の発生以降、首都直下型地震に備えて事業継続計画(BCP)の策定を進め、東京からのリスク分散やバックアップ体制の拡充などを急いでいるが、中小企業や都民の暮らしへのバックアップ体制はどうなっているのか。地方との格差はどう解決していくのか。東京都政は、そういう視野からも見ていかねばならない立場にある。

だが聞こえてくるのは、「後出しジャンケン」とか、知名度の話だけである。知事候補に擬されている人物からも、前向きで具体的な発言は今のところ一切聞かれない。表面上は、誰もやりたくない東京都知事という様相なのである。ところが約1カ月後には、新しい都知事が誕生するのである。

 前回知事選も、これという争点もなく石原慎太郎氏の後継の猪瀬氏が大勝した。その前は、出馬しないと思われていた石原氏が急きょ出馬して当選した。今回も同様の結果になりそうだ。都民は、何が何だかよく分からないうちに都知事を選んでしまうことになる。こんな選挙はもうやめてもらいたいものだ。
安倍首相の靖国参拝の何が問題なのか

 安倍首相の靖国参拝に、またもや中国や韓国が抗議の声を上げ、今回はアメリカまでもが「失望している」との非難の声明を発表した。

 安倍首相は、参拝後のインタビューで「日本のために尊い命を犠牲にされたご英霊に対して、尊崇の念を表し、そして、御霊安らかなれと手を合わせて参りました。同時に、靖国神社の境内にある鎮霊社にもお参りしてきた。鎮霊社は、靖国神社に祭られていない諸外国の人も含めたすべての戦場に倒れた人々の慰霊のための社だ。そこにお参りして、すべての戦争で命を落とされた人に手を合わせて、再び戦争の惨禍によって人々が苦しむことのない時代を作るという決意を込めて不戦の誓いを新たにした」と述べるとともに、「日本は戦後、自由と民主主義を守ってきた。そのもとに、平和国家としての歩みをひたすら歩んできた。この基本姿勢は一貫し、一点の曇りもない。これからも謙虚に礼儀正しく誠意を持って説明し、対話を求めていきたい。ぜひ、この気持ちを中国、韓国のリーダーに直接、説明したい」と述べた。

確かに靖国神社が戦前の軍国主義と結びついてきたことは事実である。だがここには200万人以上の戦死者の霊が祀られている。何も軍国主義を復活しようというのではない。安倍首相の言葉通りなら、霊を弔い、不戦の誓いを立てたということだ。このどこがそれほど大問題なのだろうか。
中韓につけ込まれた中曽根内閣の対応

 この問題では、中曽根内閣の誤った対応が中国、韓国につけ込ませる原因をつくってきた。

 中国、韓国が靖国神社への首相の参拝に抗議し始めたのは、1985年に中曽根首相が公式参拝をしてからだ。A級戦犯が合祀された1978年以降、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘が首相就任中に靖国神社に参拝をしているが、抗議も懸念の表明もなかった。

 懸念を表明したのは、日本国内で一部の新聞がA級戦犯合祀などを取り上げたことをきっかけにして、「(公式参拝は)世界各国人民、とくに、軍国主義の大きな被害を受けた中日両国人民を含むアジア各国人民の感情を傷つけるだろう」(1985年8月14日、中国政府外交部スポークスマン)などと言い始めたに過ぎない。

 なぜ中国は、それまで問題にもしなかった靖国神社参拝を問題にし始めたのか。中曽根内閣が中国の批判にうろたえて、翌1986年8月14日に「本年8月15日の内閣総理大臣その他の国務大臣による靖国神社公式参拝について」と題する後藤田官房長官談話を発表し、次のように述べて中止したからである。

 同談話は、「靖国神社がいわゆるA級戦犯を合祀していること等もあって、昨年実施した公式参拝は、過去における我が国の行為により多大の苦痛と損害を蒙った近隣諸国の国民の間に、そのような我が国の行為に責任を有するA級戦犯に対して礼拝したのではないかとの批判を生」んだ。「国際関係を重視し、近隣諸国の国民感情にも適切に配慮しなければならない」ので、「明8月15日には、内閣総理大臣の靖国神社への公式参拝は差し控えることとした」

 この時に、中国、韓国をはじめ国際社会に向かって毅然とした対応をしておくべきだったのだ。それを逆に日本の弱点であるかのようにしてしまったのが、この談話なのである。

 そもそも中国が問題視してきたのは、A級戦犯合祀だけである。ここに日本側の弱みがあると見てとっているからだ。だから日本共産党などは、A級戦犯問題だけで、過去の軍国主義を問題にしない中国の態度を「重大な内政干渉」とかつては批判していたのである。この批判は正しいものだった。

 要するに、中国によるご都合主義的な批判だということだ。安倍首相には、過去の過ちは率直に認めるとともに、いつまでも騒ぎ立てる中国や韓国には、堂々と受けて立って首相としての立場を発信してもらいたいものだ。

筆坂 秀世 Hideyo Fudesaka
1948年兵庫県生まれ。元参議院議員、政治評論家。著書に『日本共産党』、共著に『自民党はなぜ潰れないのか 激動する政治の読み方』『参議院なんかいらない』『私たち、日本共産党の味方です』『どん底の流儀』などがある。








_