2013年12月10日火曜日

中国:日本、韓国から資金調達を実施、おそらくはシャドーバンキングの穴埋め?

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●5日、米華字ニュースサイト・多維新聞は記事「中国は日本株を投げ売り、日本に“騒ぐな”と警告か」を掲載した。中国の政府系ファンドの日本株保有額が3兆円以上減少した可能性が浮上しているが、これは「隠れた経済制裁」だという。資料写真。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/12/10 07:35
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/10/2013121000387.html

中国系銀行、韓国で多額の資金調達

 中国系銀行は最近、市中の浮動資金が高金利の資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)で韓国の浮動資金をかき集めている。

 中国系銀行は韓国で調達した資金を人民元に換え、大半を本国に送金している。
 これは中国本土での預貸率規制などで、中国国内で貸出財源が不足しているためと推定される。

 韓国預託決済院と韓国の格付け会社3社によると、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、交通銀行の4行は先月、ソウル支店を通じ、合計で1兆2000億ウォン(約1177億円)の新規預金を集めた。
 これは10月(5538億ウォン)の2倍以上、今年6月(276億ウォン)の44倍に達する額だ。

■ABCPで資金集め

 中国系銀行が韓国国内で多額の浮動資金を集めているのは、韓国の証券会社が人民元定期預金を担保とするABCP商品を開発し、積極的に販売しているためだ。
 今年9月、東部証券は市中銀行の1年物定期預金(年3.3%)より金利が0.5ポイント高いABCP商品を発売した。
 東部証券が中国銀行に人民元定期預金口座を開き、それを担保にしたABCPを設定し、顧客に販売する形式だ。
 顧客の資金は人民元定期預金に預けられる。投資家がABCPを買う理由は、為替先物市場でヘッジを行い、為替変動リスクを取り除いたためだ。

 今年6月末に1元=190ウォンまで元高が進んだ人民元相場は、最近174ウォンまで元安が進み、人民元への投資は為替差損を懸念せざるを得ない状況だ。

 ABCPを販売した証券会社は、手数料収入を得る。
 顧客は大半が大企業や金融機関で、証券会社の特定金銭信託、一任型資産管理口座などを通じ、ABCPを購入する。
 東部証券の担当者は「低金利時代にプラスアルファの収益を期待でき、投資家が殺到した」と説明した。

 最初ABCPを扱っていたのは、中国銀行と東部証券程度だったが、人民元建てABCPに対する人気の高まりを受け、11月からは交通銀行と韓国の証券業界6-7社が6000億ウォン(約588億円)規模の人民元定期預金担保ABCPを販売するなど、取扱金融機関が増えている。
 こうした流れを受け、11月末現在で韓国の人民元預金残高は前月末に比べ154%増の41億7000万ドルに達した。

■調達資金の大半、本国に

 専門家は中国系銀行が韓国で人民元建て預金の販売に力を入れる理由について、中国の金融引き締めによる資金不足分を韓国からの資金調達で補おうとしているとみている。

 中国の銀行は2011年から預貸率を75%までに制限する規則などで資金調達に苦慮している。
 今年6月中旬には一時的に流動性が不足し、7日物短期金利が年10.8%まで上昇した。
 最近も5%前後となっており、通常の3-4%に比べ高水準で推移している。

 韓国で3%台前半の金利で預金を受け入れ、中国で5-6%の高金利で貸し出せば、中国系銀行は黙っていても2-3ポイントの利ざやを稼ぐことができる。
 韓国銀行国際経済室のハン・ジェヒョン次長は「中国の銀行にとっては、貸出資金の調達先確保と利ざや稼ぎという一石二鳥だ」と指摘した。

 金融当局は、人民元預金に市中の浮動資金が集中していることを知りながらも、それを抑制しようとはしていない。
 しかし、投資家は資金が中国で運用されることによる投資リスクに注意する必要がある。

 韓国の市中銀行であれば、預金の払い戻しが不可能になった場合、金融監督当局が解決に動くことができるが、中国の銀行でそうした事態が起きた場合、解決が困難になりかねない。
 例えば、中国の銀行の信用格付けが低下した場合、投資家がABCPを市場で売却するのが難しくなる場合がある。
 格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によると、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行の格付けは「シングルA」、交通銀行の格付けは「シングルAマイナス」で、中国のソブリン格付け(ダブルAマイナス)を2-3段階下回っている。

 また、1年物、6カ月物の人民元定期預金を担保にして、1カ月、3カ月満期のABCPを発行するケースもあり、基礎資産である定期預金とABCPの満期不一致の問題が生じる可能性もある。
 ABCPによる利子・資本所得も金融所得総合課税の対象になる。

 LG経済研究院のイ・チャンソン研究委員は「投資家は利子所得を得られるが、本来韓国で運用すべき資金が中国に流出しているという点で、望ましい現象ではない」と述べた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月7日 22時26分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80168&type=0

中国が「隠れた経済制裁」を発動、日本株3兆円超を投げ売りか―米華字メディア

 2013年12月5日、米華字ニュースサイト・多維新聞は記事
 「中国は日本株を投げ売り、日本に“騒ぐな”と警告か」
を掲載した。

 3日、日本メディアは中国の政府系ファンドが今年4月以降、日本株を大量に売却した可能性があると報じた。
 ちばぎん証券がOD05オムニバスなど中国政府系とみられるファンドが大株主となっている上場企業を集計したところ、3月末時点の株価保有額は時価で4兆42247億円。
 それが9月末には6074億円にまで減少した。

 利益確定の売却、名義を換えただけなどさまざまな憶測が飛び交うが、多維新聞は東シナ海防空識別圏問題などで騒ぎ立てる日本への警告だと分析する。
 レアアースの禁輸など公開の経済制裁は世界貿易機関(WTO)ルールに違反し、米国など第三国に批判の口実を与えることになる。
 そこで隠れた経済制裁の手段の一つとして株式売却が使われたと指摘した。
 今後、対立が深まれば中国の制裁はさらに強化され、アベノミクスでやや持ち直したかに見える日本経済は一気に不振に陥るだろうと予測した。


 3兆円投げ売りしたところで、日本経済が不振に陥るとはまったく思えないのだが。
 その3兆円を買い取ったらいいだろう。
 国家相手に3兆円というのは少々見かたが甘いのでは。
 十倍の30兆円なら少々、効き目があるかもしれないが。
 日本はよく円高是正のために、ドル買いや円売りをやっているが、それからみると何か些細な気がするのだが。
 日本はどんどん中国から逃げているから、中国の経済制裁というのはどの程度の効力があるのだろう。
 詳しくは専門ではないので分からないが、でも3兆円投げ売った程度ではどうにもならないだろう。
 売ったということは買ったほうもいるのだから。
 買い手がなかったら日本が買ったらいいことであろう。
 というより、中国が3兆円を換金したかったのではないだろうか。
 韓国からも資金調達しているところをみると、中国がお金をかき集めていることだけは確かなようである。
  シャドーバンクの借金が膨らんでいたが、共産党はこれに資金を投入して、危機を回避したという。
 おそらく、この注入資金に使われた公算が高い。
 中国所有の日本株が売られ、その後日本国債が売られ、それでも間に合わないときはアメリカ株が、そしてアメリカ国債が売られることになる。
 中国としても傾きつつある経済システムを維持していくのは大変なことである。


ロシアの声 10.12.2013, 19:39
http://japanese.ruvr.ru/2013_12_10/125698645/

中国企業の債務、アイルランドGDPの二倍

 中国の諸企業の債務総計が来年4500億ドルに達する。
 この巨大な金額はアイルランドのGDP二年分、
 またはスイスとスウェーデンを足し合わせた経済規模に相当する。

   中国経済の大成長期、諸企業は株式を乱発し、しかし投資家はあまりこれを買わなかった。
 それでも2013年の中国の経済成長率は8%を越えている。

   この事実は企業の財政面の安定性に対する専門家の危惧を呼んでいる。
 ただし、いまだどの企業もデフォルトを宣言してはいない。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月10日 7時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80248&type=0

中国の国営企業、民営化すれば、そのほとんどが倒産する―北京大学教授


●8日、中国網によると、北京大学光華管理学院の張維迎教授は、「国営企業が民営化すれば、そのほとんどが倒産する」と述べた。写真は国家開発投資会社。

 2013年12月8日、中国網によると、北京大学光華管理学院の張維迎(ジャン・ウェイイン)教授は、先ごろ北京で開かれた英誌エコノミストの中国サミットに出席した際、
 「国営企業が民営化すれば、そのほとんどが倒産する」
と述べた。

 張教授は、
 「多くの人が、国営企業が民営化した後に、党と政府の経済へのコントロールが利かなくなることを懸念している。
 しかし、民営化が行われなければ、中国経済の活力を引き下げ、問題はさらに大きくなる」
と指摘。
 「政府が国営企業の特権を取り消し、すべての市場において平等に資源を獲得することを認めれば、多くの国営企業は民営化後に倒産するだろう
とした。

 一部の人が唱える
 「大型の国営企業をいくつかの小さな会社に分けることで民営化を実現すべき」
との方法については、
 「数社に分けることは重要ではない。
 最も重要なのは業界への参入と撤退に壁を設けず、自由化すること」
と述べた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月11日 6時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80304&type=0

<中国はいま!>
デフォルト一歩手前の中国地方政府も―シャドーバンキングの実態を探る


●先日、北京に行ったついでに、河北省の唐山市まで足を伸ばした。約150km離れているが、高速道路を使うと、1時間半ほどで唐山市中心部に到着する。写真は2003年に完成したばかりの曹妃甸のコンテナヤード。

 先日、北京に行ったついでに、河北省の唐山市まで足を伸ばした。約150km離れているが、高速道路を使うと、1時間半ほどで唐山市中心部に到着する。(文:相馬勝)

 唐山市は河北省最大の重工業都市であり、中国近代工業発祥の地の一つで、中国における機械化炭田、広軌鉄道敷設、蒸気機関車製造、セメント製造、近代製陶業の発祥地であり「中国近代工業の揺籃地」及び「北方の陶都」と称されている。

 取材の目的は香港が2つ、シンガポールが3つ入る広大な曹妃甸新区だった。
 計画面積は1943平方キロメートル。2003年から、もともと地盤の弱い海岸沿いの砂地を埋め立てて開発された。
 曹妃甸新区のなかに「曹妃甸工業区」「南堡開発区」「唐山曹妃甸国際生態城」の開発が進められている。

 唐山市から海岸線に向かって70kmほど南下すると、マンションやオフィスビル群が見える。
 しかし、様子が変だ。
 見渡す限り人はおらず、ビル周辺は荒れ地のままで、道路は整備されず、大きな水たまりがいくつもできている。
 鉄筋がむき出しになって、工事が中断されたマンションやオフィスビル群が不気味に建っていた。

 2010年には大規模なエコシティや工業園区、20万から30万トン級の大型船舶が停泊できる30カ所ものエネルギー専用運搬埠頭など超大型プロジェクト「曹妃甸(そうひでん)新区」が完成しているはずだった。

 このうち、エコシティー「唐山曹妃甸国際生態城」の開発計画によると、08~10年に12平方キロメートルの基礎インフラを整備し、人口6万人前後にする。
 11~20年には人口を80万人規模まで拡大し、将来的には面積150万平方キロメートル、人口200万人の都市を形成するとしている。

 しかし現在の唐山曹妃甸国際生態城の一部は、人影のない豪華別荘などが建ち並び、周辺には荒れ地が広がるのみで、人や車の数もまばら。
 地元の人々は、開発が停められた「廃墟」と呼ぶようになっているという。

 だが、当時は北京、天津、大連そして唐山を結ぶ環渤海湾経済圏を拡大し、上海を中心とする長江デルタ経済圏、広東省を中心とする珠江デルタ経済圏と匹敵する大経済圏を建設するという極めて野心的な巨大プロジェクトだった。

 北京を中心とする環渤海湾経済圏は珠江デルタ経済圏に次いで、生産額で中国3番目に甘んじているからだ。
 北京や周辺の都市では、これについて「共産党のお膝元で、首都・北京を擁する環渤海経済圏の経済開発が広東や上海より遅れているのはおかしい」との声が強い。

 開発は10年前の03年から始まった。
 全国人民代表大会で認められた国家プロジェクトで、胡錦濤主席や温家宝首相ら最高指導部が視察に訪れたほどだ。
 これまでつぎ込んだ総建設額は4000億元(約6兆2000億円)は下らないとみられる。

 筆者はこの巨大プロジェクトが動き出したばかりの8年前の05年10月、現地を取材した。
 海岸線はいたるところが埋め立てられ、新たな道路を建設。
 将来の工業区の完成予想図やパネルを前に、唐山市幹部が熱っぽく構想を語っていた。
 計画では2010年までに京唐港、曹妃甸港で構成する大水深の専用鉄鉱石積み下ろしヤードや1000万トン級の製鉄所、石油精製基地やLNG基地なども建設するという大規模なものだった。

 中国ではこれほど大きな国家プロジェクトが停滞するのはまれだが、いまマンション建設などの不動産建設が中止に追い込まれるケースが目立つ。
 いわゆるシャドーバンキングによる不動産開発資金が停滞し、理財商品が不良債権化するケースだ。

 中国国営新華社通信が発行する「経済参考報」などによると、
 理財商品の残高だけで9兆800億元(約145兆円)、
 不動産開発の主体である地方政府の債務が急増し、GDPの約39%に相当する20兆元(約320兆円)に達している。

 とくに、曹妃甸を抱える河北省の主要都市は厳しい状況だ。
 中国財政省(財務省に相当)の河北省出張所の調査によると、12年6月末現在で、河北省の11市のうち、6市の債務比率が100%を超過。
 省都の石家庄市は241%で中国全体でもワースト1位、
 続いて188%の唐山市、
 153%の 癆台市、
 147%の秦皇島市、
 135%の衡水市、
 129%の張家口市
と続く。

 日本の会計検査院に相当する中国の国家審計署は今年6月、15の省を含め全国36の地方政府の負債状況の監査結果を公表。
 それによると、昨年、9省の省都が返済責任を負う債務の債務比率が100を超えている。
 国家審計署は、この9都市を公表していないが、民間の証券会社「宏源証券」は、広州や南京、西安、成都などの主要都市を推定している。

 この監査結果について、中央政府は「全体のリスクはコントロール可能。
 しかし、一部の地区と業界の返済能力は弱く、潜在リスクはある」と甘めの判断を示しているが、野村ホールディングスの香港法人、野村国際は
 「地方政府のなかでデフォールトを宣言する都市も出てくるのでは」
と予想しているほどで、
 中国経済は徐々に厳しい局面にさしかかっている。

◆筆者プロフィール:相馬勝
1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。
著書に「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)など多数。



ウォールストリートジャーナル     2013年 12月 10日 15:28 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304468904579249314131196526.html?mod=WSJJP_hp_bottom_3_3_bucket_2_right

中国悩ますホットマネー―輸出額の過大申告慣行が復活か

 中国が8日に発表した11月の貿易統計では輸出が急増したが、これは年末商戦を控えた西側諸国の需要増大が一因だ。

 だが、一部の専門家は、もう一つ別の要因も絡んでいるとみている。
 それは中国への資本流入規制措置を回避するため、企業が輸出額を過大申告している可能性があることだ。

 こうした輸出品の過剰なインボイス慣行は1年前に発生し、当局が取り締まりに乗り出した。
 11月の輸出額は前年同月比で12.7%増加したが、一部のアナリストは、この過剰インボイス慣行が再び活発化しているのではないかと懸念している。

 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのTing Lu、Sylvia Sheng両氏は顧客向けノートで
 「輸出が加速した原因の大半は、確かに世界経済の好転にあるのかもしれない」
としながらも、
 「人民元上昇と債券利回りの上昇が、輸出代金の過剰申告を通じた資本流入を再燃させるかもしれないと懸念している」
と警告した。

 中国の金利はアジアの他の地域よりも総じて高い。
 このため、海外(オフショア)で資金を借り、それを中国国内(オンショア)に投資することの魅力が高まっている。
 債務急増が懸念される中、中国人民銀行(中央銀行)が信用の伸びを抑制しようと流動性を絞っているため、金利は上昇傾向をたどる見通しだ。

 政府債(国債)利回りは11月末に史上最高水準近くに達したほか、銀行は短期資金を求めてさらに借入金利を引き上げ始めた。

 調査会社Cnbenefitによると、例えば銀行が発行する「理財商品」の平均利回りは6.4%に達している。
 政策当局が金融部門の自由化を進めるにつれて人民元も上昇する公算が大きい。
 ちなみに、International Deposit Rates Exchange(IDRE)のデータによれば、香港の普通預金金利は0.7%にとどまっている。

 こうした大きな内外金利差を受け、企業が中国に資金を持ち込むためさまざまな方法を考え出したとしても不思議ではない。
 船積みした輸出品の代金支払いを装う方法もしばしば使われてきた。
 ANZ銀行の大中華圏担当エコノミスト、Liu Li-Gang氏は
 「貿易取引は今なお、ホットマネーを中国に持ち込むための主要なチャネルになっている」
と述べている。

 輸出の伸びの一部が本当であるのは間違いない。
 世界経済は最近好転しており、中国からの米国と欧州向け輸出は好調に推移している。
 昨年11月の輸出が不調だったことに伴う比較効果も、今年11月の輸出の伸びを押し上げた要因だ。

 しかし、昨年秋に始まった中国の輸出急増は、今年5月に失速した。
 これは規制当局が税関のインボイス申告に対する監視を強化したころと重なり合う。
 専門家は、昨年秋以降のこうした慣行が再燃するのではないかと注視している。

 その場合に使われるトリックは数多くある。
 企業は輸出代金を過大申告するか、あるいは輸出品を税関通過させ、その後、それをひそかに戻すことすらある。
 あるいは信用状を使って香港の銀行から低コストの資金を調達し、それを中国本土に還流して、返済時期まで理財商品に投資しておくこともできる。

 そのメカニズムがどんなものであれ、目標は同一だ。
 海外で低コストの資金を借り入れ、その資金を中国の高利回り投資商品に預けることだ。
 専門家たちは、中国の資本統制のメリットとデメリットを論じているが、そうした統制は抜け穴がますます増えている。

 中国の規制当局はこうした状況を取り締まろうと努めている。
 中国国家外為管理局(SAFE)は7日、国境を越えた資金調達について監視を強化すると発表した。
 SAFEは銀行に対し、監査を強化して疑惑のある借り入れ、とりわけ長期貿易金融を報告するよう求めた。
 また企業は外貨交換の際、これまでと同様に正当な貿易関連の理由がなければならないとし、規則に違反すれば厳しい罰則を科すと警告した。

 しかしオンショアとオフショア金利の大きな格差は、中国の資本統制を迂回するための巧妙な手法を探そうとする誘因となる。
 手っ取り早くカネを稼ぐ機会がある限り、ホットマネーは抜け穴を見つけて国境を越えて流入し続けるだろう。
 ANZのLiu氏は、中国が資本流入の圧力をかわせる唯一の方法は金利引き下げ以外にないかもしれないと指摘している。

 Liu氏は「現時点で、利下げは中国にとって引き締め策になるだろう」と述べ、「それは資本流入を抑制する結果になるからだ」と語った。

 だが、そうなると人民銀行はジレンマに陥る。人民銀行は現在、過剰投資と膨大な債務と戦うため、むしろ利上げしようとしているからだ。 

  By     RICHARD SILK


 中国がお金を集めているのだが、反対に中国のお金を狙っているものもいる。
 その最たるものは先日、訪中したイギリスのキャメロン首相だろう。
 約1兆円ほどのお金を中国から引き出すことに成功した。
 だが、まだまだいろいろな連中がいる。
 中国が強硬になるのは、中国からお金を引き出そうとするものが多々いるためでもある。


JB Press 2013.12.11(水)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39409

米国の首長が中国詣で:私を選んで! いや、私を!
(英エコノミスト誌 2013年12月7日号)

米国の自治体の首長たちは店を出すために東へ向かっている。
「21世紀は中国の世紀に」、米世論調査で46%


●中国企業の投資を求め、米国の地方自治体の首長の中国詣でが盛んになっている〔AFPBB News〕

 アラバマ州トーマスビルは、これ以上ないほど中国から遠く離れているように見える。
 町の人口は5000人足らずで、一番近い州間幹線道路から60マイル以上離れている。

 だが、トーマスビルの市長は今年10月、中国北部の都市、大連の導管工場の社員食堂に座って、工場のオーナーたちと一緒に昼食を取っている姿が目撃された。
 シェルドン・デイ市長は、投資を募るために工場にいたのだ。

 市長は2年前にも、銅管を作る別の中国企業に、トーマスビルの隣の郡に最初の米国工場を建設するよう説得した。
 その工場は来年の開業時に約300人の雇用を創出する。
 市長はもっと多くの雇用を欲しがっている。

 デイ市長は、自分の町の小ささを強調し、
 「自分の会社に注目してほしいと思うなら、支出に見合うだけの本当の価値を求めているなら、トーマスビルが味方になる」
と力説する。

 ある投資家が町で事業を始めるつもりなら、地元の食料品店に足を踏み入れてみるといい。
 そうすれば、おばあちゃんが背中をポンと叩いて励ましてくれるだろう。
 「この町は非常に協力的で、地元の人たちは中国の友人を喜んで受け入れてきた」

■10月には3日に1度のペースで市長らが訪中

 デイ氏のような米国の市長たちは、潜在的な投資家に彼らがいかに歓迎されるかを伝えるために中国に流れ込んでいる。
 2007年には、平均して2カ月に1度のペースで米国の市長が中国の地を踏んだ。
 2013年には、それが10日に1度になった。

 この10月には、インディアナ州ココモからオレゴン州ポートランドに至るまで、各地の市長たちが自分の町を売り込むために中国に飛んだため、そのペースは平均で3日に1度まで上昇した。

 中国に注目が集まりだしたのは、2008年に米国経済が不況に陥った時のことだ。
 総固定資本形成が縮小し、2009年に15%も急減すると、中国からの対内投資が急増し始めた。
 米商務省経済分析局によれば、
 中国の対米直接投資は2008年から2012年にかけて年平均71%増加
したという。

 市や町の取り組みは、工場を開設する企業のための税額控除や労働者訓練プログラムといった州の奨励策によって支援されていることが多い。

 最近は、国レベルの支援も強化されている。
 バラク・オバマ大統領は2011年、外国からの米国への直接投資を推進する連邦レベルの初の組織的取り組み「セレクトUSA」を創設する大統領令を発令した。

■カナダやオーストラリア、欧州諸国の都市とも熾烈な戦い

 中国の関心を引こうとする戦いは激しい。
 セレクトUSAの副本部長アーロン・ブリックマン氏は、米国の都市はお互いの間だけでなく、カナダやオーストラリア、欧州の都市ともプロジェクトを巡って競争していると説明する。

 他国の市長たちも、航空会社のマイレージを貯め込んでおり、モジャモジャ頭のロンドンのボリス・ジョンソン市長は最近、自転車に乗り、ハリー・ポッターのジョークを飛ばして北京の人たちを魅了した。

 米国の市長たちの間でも、熱意は様々だ。
 試しにやり始めただけの市長もいる。
 ノースカロライナ州ハンターズビルのジル・スウェイン市長は、こうした取り組みがアラバマの町にどんな貢献をしたのかを見届けたうえで、5月に初めて中国を訪れた。

 一方、もっと壮大なビジョンを持つ市長もいる。
 2008年以降、30社の中国企業を誘致したサンフランシスコは、米国事務所を設立する中国企業にとって同市が第一候補になるだけの中国企業を確保したいと思っている。

 2011年には当時のシカゴ市長のリチャード・M・デイリー氏が、
 シカゴを米国で最も「中国に友好的な市」にしたいと宣言した。

■中国企業誘致には政治的なリスクも

 カンザス州ウィチタのカール・ブルーアー市長は、自分の町(セスナが本社を置いている)に、中国の民間航空業界に部品を供給する助けになってほしいと思っている。

 ウィチタは、10月に北京事務所を設置し、西安にも別の事務所を設置する計画だ。
 中国側も来年代表団を同市に送る準備を進めている。

 こうした取り組みには、政治的なリスクもある。
 出張に多くの経費を使いすぎているとして、非難を浴びている市長もいる。
 有権者の不支持で動きが取れない市長もいる。

 イリノイ州ファーマーシティの市長は、外国企業を誘致するために市のカネを使うという考えに住民が怒りを露わにした後、訪中計画を中止した。
 コロラド州の右派色の強い町の首長、チャド・アウアー氏は、1972年にリチャード・ニクソンが中国を訪問した時、結局は価値のあることだと分かったということを説明するため、ユーチューブに頼らざるを得なかった。

■首長の熱意、企業の心理よりは後れ

 上記の理由から、首長たちは多くの場合、州内の企業の心理にやや後れを取りがちだ。
 最近中国を訪問したアラバマ州のある企業代表団は、自分たちなら、ワシントンの政府関係者たちにいつもサイバースパイを非難されている中国の携帯電話メーカー、ファーウェイ(華為技術)のアラバマ州への投資を歓迎すると話していた。

 トーマスビルのデイ市長は、いくら熱心とはいえ、そこまでは行かないだろう。

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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。


 さて、中国はお金をどうするのか? 








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