2013年12月18日水曜日

中国の近隣国いじめは戦略上の過ち:威嚇行為の危険性自覚すべき

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●18日、環球時報(電子版)によると、日本で閣議決定された国家安全保障戦略や防衛計画の大綱および中期防衛力整備計画について、米政府が期待を寄せていると日本メディアが伝えた。写真はアメリカ合衆国議会議事堂。


ウォールストリートジャーナル     2013年 12月 18日 16:51 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304273404579265523998673640.html?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst

【社説】中国は威嚇行為の危険性自覚すべき―近隣国いじめは戦略上の過ち


●山口県の岩国航空基地から飛び立つオスプレイ(2012年10月2日)

 中国による武力威嚇が東アジア各地に波紋を投げかけている。
 「周辺諸国をいじめる」のは戦略上の過ちであることを中国指導部が悟ることを願うばかりだ。

 日本政府は17日、新しい国家安全保障戦略と向こう5年間の軍事強化計画を発表した。
 いずれも東シナ海での中国の攻撃的な行為を抑止するのが主な目的だ。
 一方、ケリー米国務長官は16日にベトナム、17日にフィリピンを訪れ、東南アジア諸国が中国の領海侵犯を防ぐのを支援するために今後2年で1億5600万ドルを提供すると述べた。
 
 日本の措置は、南部を中国から守ることにリソースを振り向けることを意味する。
 軍事要員の総数は変わらないが、尖閣諸島を含む沖縄周辺の問題に対処するために訓練や軍備、配属を増やすほか、無人航空機、水陸両用車、垂直離着陸機を備えた、米海軍に匹敵する上陸作戦部隊を創設する。 

 また、向こう5年間の防衛費を約5%(120億ドル=約1兆2200億円)引き上げる。
 これは2000億ドルに達するとみられる中国の年間軍事費と比べると微々たるものだ。
 中国の公式の軍事予算は2000年以降、年間10%以上のペースで増加しており、同年の4倍以上に拡大している。
 この予算は実際の支出額の約半分から3分の2程度だ。
 一方、同期間の日本の年間防衛費は5兆円(460億ドル)弱でほとんど変わっていない。 

 日本は必要となれば、防衛費を大幅に増やす余力がある。
 それは中国に再考を促す要因となる。
 日本はこれまで非公式ながら、国内総生産(GDP)の1%を防衛費の上限としてきた。
 この数字は以前から4%前後で推移している米国を大きく下回る。
 中国の経済規模は日本を抜いて世界2位となったようだが、日本は技術ノウハウと生産力という膨大な資源に頼ることができる。

 中国は、自国は敵ではないと日本を安心させようとはせず、
 問題となっている領土を日本に放棄させるために軍事的圧力を掛け続けている。
 尖閣諸島上空に防空識別圏を設定したことは、軍事力の増強を支持する日本の世論を勢いづけている。

 しかし、中国外務省の報道官は17日、日本の軍国主義が復活しているとし、「中国を含むアジア諸国と国際社会は日本のこうした動きを注視し、警戒せずにはいられない」と述べた。

 他のアジア諸国は、第二次世界大戦の記憶があるものの、日本側についているように見える。
 普段は植民地支配した日本に厳しい韓国でさえも、先週、中国が設定した防空識別圏内で日本と合同演習を行った。
 東京で開催された首脳会議で、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は14日、航行の自由の重要性を確認する共同声明を発表した。

 この会議で日本は、ベトナムとフィリピンへの巡視船の供与など今後5年間で東南アジアに192億ドルの援助を行うことを約束した。
 これはケリー米国務長官の申し入れと一致する。

 中国は、南シナ海で自国の軍艦が先週、米国のミサイル巡洋艦「カウペンス」と衝突しそうになった際、航行の自由を制限する意向をあらためて示した。
 この海域では09年に中国の民兵船が米国の音響測定艦「インペッカブル」の進路を妨害。
 01年には中国のジェット戦闘機が、武装していない米国の偵察機と衝突した。

 世界が第一次世界大戦前のドイツから学んだように、強大なパワーの出現は常に危険をはらむ。
 中国の新指導部は、危ういほどこの歴史を知らないように見える。
 自らの攻撃的な行為が周辺諸国を反中国で結束させかねないという自覚が足りない。
 中国はこうしたことをすぐに理解した方が身のためだ。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月19日 5時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80670&type=0

日本の国家安保戦略、
 米国は「中朝のけん制」と自国の「影響力向上」を期待―日本メディア

2013年12月18日、環球時報(電子版)によると、日本で閣議決定された国家安全保障戦略や防衛計画の大綱および中期防衛力整備計画について、米政府が期待を寄せていると日本メディアが伝えた。

 日本メディアは報道で、「米国は自衛隊との協力を強化することで、著しく軍事力を増強している中国や核開発を進める北朝鮮をけん制したいと考えている。
 同時にアジア太平洋地区での米国の影響力向上の狙いもある」と指摘。

 米国のキャロライン・ケネディ駐日大使は先月末、「米国は日本の安全保障政策を支持する」と発表し、日本が策定した国家安全保障戦略や日本版NSC(国家安全保障会議)などを高く評価したと日本メディアは報じている。



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月18日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-12/18/content_30932445.htm

 日本が水陸機動団を新設 釣魚島の天気予報も計画中

 国家安全保障会議の創設、特定秘密保護法の強行採決に続き、安倍政権は17日に国防・軍事面で大きな動きを見せた。
 同日には3種の安保関連文書が閣議決定され、現在の陸海空自を基礎とし、「占拠された離島」を奪還する水陸機動団を新設することが決定された。

■3000人の部隊、先進的な武器を配備

 同日閣議決定された3種の文書は、「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」、「国家安全保障戦略」だ。

 新たな防衛計画の大綱の中で注目を集めたのは、離島奪還に特化した水陸機動団の新設だ。
 日本メディアの報道によると、同部隊は陸上自衛隊に所属する。
 同部隊は主に空自・海自の支援を受け、敵軍に「占領」された離島に真っ先に駆けつけ、上陸・奪還行動を展開する。

 報道によると、同部隊の作戦能力を強化するため、日本政府は
★.52台の水陸両用車と、
★.17機の先進的な輸送機「オスプレイ」垂直離着陸機、
★.3機の高空無人偵察機「グローバルホーク」
を配備する予定だ。
★.同部隊の規模は、約3000人に達する見通しだ。

■釣魚島の天気予報を発表

 日本メディアの17日の報道によると、新たな防衛計画の大綱などの安保文書が閣議決定された同日、政権与党の自民党の委員会は安倍政権に対して、メディアを通じて積極的に釣魚島(日本名・尖閣諸島)、竹島(韓国名・独島)、北方四島の周辺地域の天気予報を発表し、日本国民に上述した島嶼が「日本領」であるという認識を深めさせるべきだと提案した。

 同委員会の名称は「領土に関する特命委員会」で、今週首相官邸に上述した提案を提出した。
 この提案には他にも、教科書編集の基準となる学習指導要領に釣魚島と独島を盛り込み、かつ関連国の間違った主張を指摘し、正確な内容を指導することを求めた。
 同提案はまた、教科書が日本政府の立場を正確に表現しているかを、厳しくチェックするべきだとした。



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月18日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-12/18/content_30932360.htm

 日本中期防衛力整備計画、海外侵攻能力を形成へ

 日本が17日に発表した2014−2018年度版の「中期防衛力整備計画」は、自衛隊の「総合機動防衛力」の強化が中心内容の一つとなった。
 「中国の脅威」を口実にし、日本は戦略的輸送能力を強化する各設備を導入し、かつ陸海空自の共同作戦能力を強化し、海外の「有事」への急速な反応を実現する。

 共同通信社は17日、
 「新たな中期防衛力整備計画の最大の変化は、過去3回に渡る予算削減の流れを変えたことだ。
 今後5年間の日本の防衛予算の上限は約24兆6700億円となり、
追加された予算は機動防衛力の建設に充てられる
 特に離島攻防作戦に適した武器を重点的に導入する。
 これには米国から調達する
 17機のMV-22オスプレイ垂直離着陸機、
 3機の無人偵察機、
 52台の水陸両用戦闘車両
が含まれる。
 また国内メーカーからは、主力戦車より軽量で、空運の需要を満たせる
★.99台の機動戦闘車
を調達する」
と伝えた。

 新たな中期防衛力整備計画の情報を見ると、
 南西諸島に十分な兵力を配置できないため、自衛隊は「動により動を制する」必要がある。
 広域に機動的な配備を行い、情報化共同作戦を加えることで、伝統的な「株を守りて兎を待つ」戦術の実力不足を補う。
 例えば陸上自衛隊の中心的な13師団のうち、北海道の第7機甲師団が機動性を強調していただけで、その他の師団を大規模動員する必要はなく、地方の防衛に回されていた。
 一方で新たな中期防衛力整備計画の推進する「総合機動防衛力」の改革において、陸上自衛隊の圧倒的多数の部隊が動かされることになる。

 自衛隊が機動部隊の建設に取り組めば、作戦に投入される部隊の需要が生まれる。
 自衛隊の第12旅団は日本初の空中機動旅団で、離島奪還作戦にフレキシブルに投入できる。
★.4機のOH-6偵察ヘリ、
★.8機のCH-47大型輸送ヘリ、
★.8機のUH-60多用途ヘリ
が配備されており(計20機)、日本のその他の旅団を大幅に上回る。

 しかし第12旅団がすべてのヘリを投入したとしても、1回毎に一つの中隊を輸送するのがやっとのことだ。
 つまり作戦において、第12旅団は戦線の重要なエリアに兵力を空から迅速に投入できず、1回毎に一つの中隊の兵力しか輸送できないことになる。
 この探りを入れるような戦術は、兵法ではタブーにされている。

 日本の自衛隊の「機動防衛力」へのモデルチェンジは、周辺の「不確定の脅威」への対応を口実としているが、本質は本土の専守防衛から海外への侵攻に移る、
 戦略思想の重大な変化を意味しており、日本が求める軍事大国に向けた重要なステップだと分析されている。
 これは周辺の国・地域の安全に深刻な脅威をもたらし、日本は将来的に世界で軍事力による干渉を増やしていくだろう。
 しかし日本の低迷する現在の経済状況では、防衛予算の拡大を維持できるか疑わしいところだ。







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