2014年1月9日木曜日

靖国論争は中国の社会不満のガス抜き:中国という「圧力容器」が爆発しないように

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 靖国論争は中国国内の社会不満のガス抜きに過ぎない。
 国内のウップンをいかにコントロールするかということであり、そのためにいかに当局が中国のために働いているかの宣伝材料に過ぎない。
 中国という圧力容器がリミットを超えて爆発しないようにするのが、外交手腕の一つでもある。
 だが、あまり外交盛り上げが強いと、
 デモはダメ、ボイコットはダメで抑えこんでいる容器
が、どこかで爆発してしまう。
 中国版KGBを作って、圧力容器を補強する
という動きに向っているが、蟻の一穴ということもあるので、中国としても慎重にしないといけないだろう。
 経済成長とはこの圧力容器の容積を大きくすることである。
 成長率が落ちるということは、容積拡大のスピードが小さくなることである。
 そうすると社会不満の密度が大きくなる
 中国が日本に圧力をかけ続けるのはいいが、それが効を奏しないと、逆に内部のガス密度を増やすことになる。
 日本はそのあたり、つまり中国社会内部の不満の増大、を狙っていることも確かだが。
 これにバブルが少しでも弾ければ一気に中国内部は動き出す。
 環境汚染は中国を苦しめ、土地を奪われ農村から都会に出て[ネズミ族]に身を落とした農民は、何かあったらウップン晴らしで暴れたいと思っている。

 日本にとっては如何に中国内部の不満を上昇させるかがポイントになる。
 昔からよくある戦術の一つである。
 面と向って対峙するのではなく、敵の内部を撹乱させるというはかりごとである。
 だがそのためには中国当局の批判に身を晒さねばならないというリスクも抱えている。
★.約100億円の損害を出した尖閣反日デモがあってこそ
日本は2/3世紀の眠りから目覚めることができた。
★.領空発想という異常な中国防空識別圏という代償があって
日本の国土防衛強化の動きが国民の支持を得ることができた。

 靖国問題は日本批判の代償として、中国国内の社会不満の増大ができれば、日本としては成果があったことになる。
 また、安倍さんが靖国問題を使って「安倍式倍返し」を企画したとするなら、おそらくそれは
 「日本版NSA」と「無人島280島国有化」になるのだろう。
 もしかしたさらなる倍返しも考えているかもしれない。


日本経済新聞   2014/1/8 22:14
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0802P_Y4A100C1PP8000/

 首相「批判されても責任果たすべき」 靖国参拝巡り

 安倍晋三首相は8日夜のBSフジ番組で、自らの靖国神社参拝に中韓両国が反発していることについて
 「誰かが批判するからそうしないということ自体が間違っていて
 たとえ批判されることがあったとしても当然の役割、責任を果たしていくべきだ」
と述べた。

 中国を念頭に
 「私を軍国主義者と批判する人がいる。
 そういう批判をしている国が毎年10%以上、軍事費を20年間増やし続けている」
と語った。
 過去にも日本の首相が靖国参拝しながら平和国家を築いてきたと指摘。
 「そのことを説明していけば誤解は解ける」
と述べた。
 新たな国立追悼施設に関しては
 「なぜ遺族は靖国に行くかだ。
 自分の愛する人は国のために戦って亡くなったから祭られている」
と、設置に否定的な考えを示した。


 「中国KGB」に対して「日本NSA」は?


レコードチャイナ 配信日時:2014年1月9日 13時4分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=81533&type=0

国家安全保障局が発足、普通の国ならともかく日本ならば問題だ―中国紙

 2014年1月8日、人民網は記事
 「日本・国家安全保障局:NSAが正式発足、専門家は懸念」
を掲載した。

 7日、日本版NSCこと国家安全保障局が正式に発足した。
 外交、安全保障の情報を統合し、首相官邸主導で統括的な政策を実行することを目的としている。

 中国国際問題研究所の曲星(チュー・シン)所長は人民網の取材に答え、本来ならば国家安全保障局の発足は正常な行為ではあるが、日本という国での話となれば懸念は避けられないとコメントした。

 安倍政権は右傾化、侵略の歴史の否定を進め、国際社会による日本軍国主義への正義の審判を転覆させ二次大戦の結果と戦後国際秩序に挑戦しようとしている。 
 平和憲法の改定、交戦権の回復など危険な動きが目立つという。

 また、国家安全保障局には「同盟国・友好国」「中国・北朝鮮」など6つの部局が設置されているが、この構成を見ても中国や北朝鮮に対抗しようという邪心が透けて見えると指摘した。



レコードチャイナ 配信日時:2014年1月9日 10時26分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=81531&type=0

<靖国参拝>
日本の愚かな挑戦をともに批判しよう、中国大使が寄稿文―韓国

 2014年1月7日、米華字ニュースサイト・多維新聞は記事
 「在韓国中国大使館代理大使が韓国メディアに寄稿し日本の右傾化を批判」
を掲載した。

 8日、韓国紙・中央日報に陳海(チェン・ハイ)駐韓国代理中国大使の寄稿文が掲載された。

 ソウルでは時々指のない手形をガラス窓に刻んだ車を見かける。
 この手形は韓国の歴史でよく知られる抗日の義士、安重根のものだ。
 わずかばかりとはいえ朝鮮半島の歴史を研究した経歴を持つ中国人外交官として安重根義士の事績を尊敬しているし、その愛国心には感動させられる。

 その事績を永遠に記念するべく、中国では記念のモニュメントが建設中だ。
 ところが思いも寄らぬことに日本右翼政治家から批判が浴びせられた。
 それどころか日本の安倍首相は世界世論が一致して反対したにもかかわらず靖国神社を公式参拝し、新年のムードに浸っていた人々に冷や水をかけた。

 日本軍国主義の侵略はアジア各国の人民に大きな被害をもたらした。
 中国と朝鮮半島の人民が最大の被害者である。
 中韓両国は平和を熱愛し、また度量の広い民族である。
 しかし一部の日本右翼分子が正しい歴史認識をもって反省することができず、それどころか被害国を挑発。
 反ファシズム戦争の勝利の成果と国際秩序への愚かしい挑戦を繰り返している。

 当然ながら、日本のこうした行為に国際社会は一致団結して批判している。
 安重根義士は死の直前、『東洋平和論』を著述し、東アジアの平和と協力を訴えた。
 平和と協力を尊ぶ人々は今、手を携えて正義と良識を守るために立ち上がらなければならない。
 日本の時代を逆行させる行動に厳かな審判を下さなければならない。


 日本としては尖閣問題と同じように
 「反日のうねり」が中国社会全体に広がり当局を窮地に陥れる
ようにまでなったら、してやったり、ということになるのだろう。


レコードチャイナ 配信日時:2014年1月11日 17時1分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=81498&type=0

都市部に増え続ける「ネズミ族」、不動産価格の高騰にうっ積する社会の不満―中国


●6日、中国の不動産価格が引き続き上昇している影響で、北京では地下室やマンホールで生活する住人が増加するなど、貧富の格差が拡大し、社会の大きな不満を生み出している。

 2014年1月6日、ロイターによると、中国の不動産価格が引き続き上昇している影響で、北京では地下室やマンホールで生活する住人が増加するなど貧富の格差が拡大し、社会の大きな不満を生み出している。
 7日付で参考消息(電子版)が伝えた。

 中国では、不動産価格の高騰を押さえるため、政府がさまざまな抑制策を打ち出している。
 低価格マンションの供給も行われ続けているが、農村から都市部への流入する者の需要を満たすには至っていない。
 また、不動産投資以外の適切な投資先がないことも、高騰に歯止めがかからない原因の一つだ。

 13年11月のデータによると、不動産価格は前年同期比で約10%上昇した。
 しかも09年以降、毎年最高値を更新し続けている。
 北京では、価格の上昇幅が同16%にも達し、家賃も同12%上昇した。
 これにより、さらに多くの人々が家賃の安い地下室での生活を強いられている。

 中国では、大都市の高級マンションなどの地下室や地下防空壕跡などの狭く仕切られた空間で暮らす人々を「ネズミ族」と呼んでいる。
 ある報道によると、北京に居住している約770万人の外来人口のうち、5分の1近くが作業現場や地下室内で生活している。
 また、北京市では昨年12月、マンホール内で10年以上生活してきた人が発見され、大きな話題を呼んだ。

 高騰が続く不動産価格は政府を一喜一憂させている。
 急速に発展した不動産業界は中国のGDPの約15%を占める。
 巨額の債務が累積している地方政府は、土地使用権の売却収入に依存せざるを得なくなっており、その収入はその他の税収の3倍に上る。
 一方で、不動産価格の上昇は、大多数の中国人にとって不動産の所有を手の届かない夢にしているだけでなく、貧富の格差を拡大させ、社会の大きな不満を生み出している。



【資料】

レコードチャイナ 配信日時:2013年12月17日 7時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80567&type=

10年以上マンホールで生活していた!多い時には30人も―北京市


●16日、北京で今月初め、家賃節約や寒さしのぎためマンホールの中で10年余り生活していた人が発見され、話題となっている。

 2013年12月16日、中国メディア・21世紀経済報道によると、北京で今月初め、家賃節約や寒さしのぎのためマンホールの中で10年余り生活していた人が発見され、話題となっている。
 多い時には30人以上暮らしていたという。
 政府は安全の観点からマンホールをコンクリートで固め、住人が出入りできないようにしたが、都市で生活する貧困層に対していかに対応するかという根本問題は答えが出せていない。

 中国の大都市では、表立ってはスラム街は存在しないことになっているが、マンホール生活も一種のスラムと言えるだろう。
 大都市の貧困エリアは、大量に流れこんできた農民や周辺地域の住民、都市開発によって居住地を追われた住民などで形成されている。
 生活条件は劣悪だが、それでも故郷で農業に従事するより多額の収入を得られるため、多くの農民を都市に引き寄せている。

 政府が直視しなければならないのは、こうした農民たちの都市への流入が大都市の低技能労働者に対するニーズを満足させていること、つまり都市にとってプラス効果をもたらしていることだ。
 一方で、貧困エリアの存在は都市景観を悪化させ、犯罪率や疫病発生率上昇の可能性も生む。
 ある研究では、貧困エリアは貧困から抜け出せない「貧困の悪循環」を構成する可能性があると指摘されている。

 中国の大都市にスラム街が存在しない理由として、戸籍制度の問題で農民が長期にわたって生活できないこと、都市管理当局が厳格に制御して圧力をかけ、スラム街を発展させないようにしていることなどが挙げられる。
 当局が貧困層に関与する目的は援助ではなく、都市景観など自らの政治業績を追究する目的であるため、建物の取り壊しや戸籍登録地への送還など、強制的な措置を採用することが多い。

 しかし、都市の貧困エリアの誕生は経済社会発展の過程では避けられない現象であり、力でねじ伏せても消え去らない。
 政府は戸籍制度の改革や公共サービスの均等化、職業訓練の提供など細分化した機能や管理方式を採用し、貧困者が「貧困の悪循環」に陥らないよう手助けすべきである。







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