2013年11月29日金曜日

「公空」概念がスッポリ抜け落ちているという怪異:中国解放軍陸軍が仕掛け人?

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● B52ルート

B-52 Taxi And Takeoff (2012)


B-52 Flight (2012)


B-52 Air Refueling (2012)


 いったい中国防空識別圏とは何だったのか。
 えらく中途半端な結末(まだ結末が出ていないのだが)を迎えようとしている。
 もちろん、一旦設定した防空識別圏を中国が撤回するとは思えない。
 識別圏は設定されたが、その内容と比べると薄い実行の形で今後推移していくのではないだろうか。
 とすると、この防空識別圏とはどう解釈していいのだろうか。
 想像をたくましく推理してみる。

 まず第一に重要なことは、
 「共産党の前に解放軍が出てきた」
ということだろう。
 ということは、共産党の力が落ち、解放軍の力が上昇していることになる。
 つまり、共産党は解放軍を制御しきれなくなってきているということになる。
 その破れ目から吹き出たのがこの防空識別圏事件ということになる。
 これは今後の中国をみていくうえで、大きな問題になってくるが、それは別稿で。
共産党と解放軍との亀裂?:中国の防空識別圏、習主席はなぜ売り込まないのか

二番目の重要なポイントは、
 「海軍をさしおいて空軍が出てきた」
ということである。
 解放軍海軍は対日本についてはどちらかというと静かである。
 一時レーザー照射の問題がとりあげられたが、これは海軍にあってゲームみたいなものであってどちらも分かっていてやっているという部分がある。
 しかし、これが公に取り上げられた時点で海軍は綺麗に引っ込んでしまっている。
 海軍のベースになっているのは、万国公法といったたぐいの世界に通用する規則である。
 艦船は世界の海をまわり、様々な外国港にお世話になることによって運行される。
 ために自国のメンツの前に、万国共通の規則に従うことが求められる。
 つまり、やさしくいうと
 「海軍は最も開けている軍隊」
ということになる。
 海軍は冷静な目をもって周囲を見ることができる。
 それは、自分はこう思うが外から見たらどう見えるか、という第三者的な視線をもっているということである。

 尖閣領域で鬼ごっこをしているのは海軍ではない。
 警察管轄の巡視船である。
 海軍はこういうむなしいことをいやがる。
 その目線からみれば、日本と中国とでは退役自衛隊将校の話ではないが30年くらいの差があるという。
 その数値はどこまで正確かわわからないが、とてつもなく差があるということは海軍自身が分かっているということである。
 ポンコツ空母を持っているからといって、この差が埋まるまのでもない。
 艦艇の数ではないのである。
 そのことを十分わかっているから海軍は、レーザー照射事件以降出てこない。
 先般、海自が太平洋での海軍の訓練域に侵入したが、海軍は抗議はするが、それ以上には追求しなかった。
 これは世界で公に認められて範囲での行為であるとすれば、それはそれで了解するしかない。
 解放軍海軍はいまのところ、日本の海上自衛隊は四ツに組んで勝てる相手ではない。
 ムダに艦船を海に沈めることは控えて、訓練を密にして、少しでも日本に追いつくことを目標にしているというところである。
 自分の力の位置が見えているということである。

 そういう海軍の態度を生ぬるい、弱腰だと思って出てきたのが空軍である。
 海軍は階段を一歩一歩踏みしめて上っていく軍隊である。
 空軍はエレベーターでスーと上り、ドアが開いたらそこに、最新鋭のジェット戦闘機が並んでいたという軍隊である。
 操縦訓練のみが、ソフトパワーであるような仕組みで出来上がった軍隊である。
 「他国が見る目を養う」なんてことは訓練教科にはまったくないのである。
  空軍といっても基地は陸地にある。
  空にあるわけではない。
 陸から燃料というヒモで繋がれた軍隊である。
 よって、発想は陸軍と同じで海軍とは相容れない。
 中国陸軍は世界精強といってもいいと言われている。
 ならば、空軍も空域を陸と同じように考えることになる。
 陸地には己の領地か、敵の領地かのどちらかしかない。
 陸軍には「公地」という思想はない。
 その思考の延長から出てきたのが、防空識別圏に対する特殊な考えである。
 ここには「公」がない。
 まったく空を陸地と同じものと考える特殊な発想である。
 つまり、防空識別圏とは領空識別圏で同義であって、その空域は「オレのものだ」という考えである。
 「公空」という概念がない。
 海軍は常に領海と公海を意識している。
 しかし、陸軍には占有地は俺のものという領地の考えが優先する。
 そこで、防空識別を宣言した空域は領空識別した空域であり、オレのもの、ということになってしまう。
 そういう思考のもとに宣言したのが、今回の特殊な防空識別圏である。
 よって、
 そこを通過するものはすべて、オレの指示に従え、でなければ実力行使するぞ、
ということになったわけである。
 なぜなら、宣言したことによってその空域はオレの領空になった、のだからである。
 「公空」は誰でも自由に飛行できる場所である
という基本理念がスッポリと抜け落ちてしまったのである。
 さらに視野を広げてみれば、解放軍の中での各軍を中央委員の数から大雑把にみると
 「陸軍:海軍:空軍=7:2:1」
になる。
 空軍というのは解放軍のなかでは弱小パワーしかない。
 その弱小パワーが共産党をさしおいて事の前面に出てくるということは中国のメンツ組織の中では解せない。
 とすると、これを仕切ったのは
 空軍をバックアップしている解放軍陸軍
ということになる。
 解放軍陸軍は世界で最強の陸軍ともいわれており、共産党の確執はつねに陸軍との権力争いがベースになっている。
 よって空軍は昔の日本軍でいうところの、いわゆる「陸軍航空隊」とみるほうが適切なのではなかるか。
 つまり陸軍が共産党の前にしゃしゃり出て事を起こした、とみるのが推理としては筋が通る。

 さて、声高々に自信をもって防空識別圏を宣言した。
 ここを通るものは、すべてオレに通報しろ、さもなくば実力行使をうけるぞ!
 ここまではよかった。
 日本を心底から震撼させた。
 民間航空会社は飛行プランを中国に出すしか安全を守れないとまで判断し、それを実行しようとした。
 してやったり、万々歳であった。
 解放軍空軍、バンザイである。
 空軍の実力はこんなもんだと、鼻高々になった
 だが、突然冷水を浴びせられた。
 とんでもないヤツが出張ってきた。 
 世界最大の爆撃機「B52」が2機である。 
 アメリカの逆鱗に触れたのである。
 ちょっとやそっとの相手ではない。
 とても太刀打ちはできない。
 さあ、どうする。
 こいつにスクランブルをければ、沖縄基地を飛び立つアメリカの戦闘機集団が出てくるだろう。
 もしB52を誘導して中国国内の基地に着陸させるように動いたら、戦闘機集団も合わせて国内基地に誘いこむことになる。
 威嚇射撃でもすれば、国内基地がヘタすると爆撃対象になり火の海にもなりかねない。
 虎の子の航空機を多数失うことにもなる。
 そして出した結論。
 「ダンマリ、見て見ないふりをしよう、黙殺」
 だまって、行かせてしまえ!
 なんとも、ふがいないがそれしか対応策がない。
 空軍の実力からしてとれる処置はそれしかない。
 陸軍にしかけられてやった事件であり、本音としては空軍としてはさっさと逃げ出したいといったところだろう。
 これが、B52事件の推理である。

B-52 Dropping Lots & Lots of Bombs - Carpet Bombing (B52絨毯爆撃)


 この結果、なにが起こったか、これのほうが問題になる。
 なにしろめちゃくちゃ。
 サーチナニュースでは
 「中国政府に対するブーイングの嵐
である。
 関係記事をレコードチャイナから拾ってみる。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月29日 18時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79823&type=0

国際的慣例とは違う、異常な“中国式防空識別圏”
=中国自身の首を絞める結果に

 2013年11月29日、中国が東シナ海に防空識別圏を策定したと今月23日に発表。日米が強く抗議するなど、新たな緊張の火種となっている。

 もっとも防空識別圏とは各国が勝手に制定していいもので、他国の防空識別圏や領空と重複しても特に問題はない。
 ではなぜこれほどの火種となったのか。
 その根本には中国の防空識別圏が他国のそれとは異なる、異常な規定を持っているからにほかならない。

▼防空識別圏とはなにか?

 そもそも防空識別圏とはなにか? 
 多くのメディアが解説記事を出しているが、元航空自衛官・数多久遠氏による解説記事、「中国による尖閣上空への防空識別圏設定の意味と対策」 がわかりやすい。
 ポイントをまとめると、

・防空識別圏自体はなんらかの権利を主張するものではない。
・自国の領空に進入する可能性がありそうな航空機を識別する範囲でしかない。
・徹頭徹尾、自国防衛のためのものなので勝手に制定してもいいし、他国と重複していても構わない。
 陸地で国境を接している国の場合、相手国の領空に防空識別圏がはみ出すことも普通。
・防空識別圏に不明機が入った場合、領空を侵犯しそうな問題のある航空機なのかを考え、無線で連絡したり、あるいは戦闘機をスクランブルさせて確認、警告する「こともある」。
・ただし防空識別圏に入ったこと自体はとがめ立てすることはできない。

というもの。

▼中国が防空識別圏を設定するのは自由

 となると、中国が防空識別圏を策定するのはどうぞご自由にという話になるし、むしろ今までも公表してなかっただけであったんでしょ?
 ないならびっくりですわということになろう。

 最大の懸念は、尖閣諸島上空で日中の戦闘機が対峙、なんらかの偶発的衝突が起きるという可能性だろう。
 船の場合と違い、戦闘機同士のにらみ合いではリスクははるかに大きなものとなりそうだ。
 ただしこれも究極的には防空識別圏とは関係ない。

 中国側の主張では尖閣諸島は彼らの領土。
 その上空を飛ぶことは当然の権利という話になる。
 防空識別圏を策定、公開しようがしまいが、中国のロジックではいつでも巡視飛行が可能だし、その領空に日本機が進入すれば中国機も出動することになる。
 つまり戦闘機同士の対峙と防空識別圏にも根本的には関係はないということになってしまう。

▼異常な中国式防空識別圏

 ならば、今回の防空識別圏策定は特に騒ぎ立てるような必要性はないのだろうか。
 それは違う。
 中国政府は国際慣例に従って策定したと繰り返し表明しているが、実は中国の防空識別圏は上述してきたような「普通」のそれとは異なるものだからだ。
 23日に発表された「中華人民共和国東シナ海防空識別圏航空機識別規則公告」がそのことを明示している。

 まず第一条からして
 「中華人民共和国に東シナ海防空識別圏を飛行する航空機は必ずこのルールを守らなければならない」
と、他国の航空機に義務を負わせている。
 以下、フライトプラン提出、無線通信ができるような状態にしておくこと、そして何より中国側の指示に必ず従うことをいずれも義務としている。
 従わなければ、「中国武装力量は防御的緊急処置対応をとる」と明記している。

 繰り返しになるが、本来、防空識別圏とは自国防衛のため勝手に策定するもので、
 他国の航空機になにかの義務を負わせることはできない。
 他国でもフライトプランを提出しているケースもあるが、それはあくまでお願いにすぎない。
 その意味で義務を強要する中国の防空識別圏は通常とは異なる異質のもの。
 米国がそんな必要はないと一蹴したのもむべなるかな、だ。

▼中国式防空識別圏から通常の防空識別圏へ、静かな路線変更

 なぜ、こんな異例なルールにしてしまったのかは定かではないが、やはり中国国防部の勘違いがあることは否めない。
 そして、その勘違いは日米をはじめ各国が強く抗議する口実となっただけではない。
 中国国内の世論の対応に苦慮する困った状態を引き起こしている。

 26日昼(北京時間)、米軍の爆撃機B-52、2機がフライトプランなしに中国の防空識別圏を飛行した。
 上述のとおり、米軍機に中国領空侵犯の意志はないため、米軍に事前通告の必要性もなければ、中国がアクションを起こす必要性もない。
 通常の防空識別圏の解釈であれば、そういうことになろう。

 ところが中国式防空識別圏のルールでみれば、米軍機は義務を怠ったことになる。
 一部の中国ネットユーザーは「撃墜してしまえ」などの脊髄反射的な書き込みをネットに残しているが、それも中国式防空識別圏としては当然の話なのだ。

 おそらくはこうしたネットの盛り上がりに対応して中国国防部は27日、B-52飛行に関する臨時の記者会見を開いた。
 そこで「米軍機飛行の全過程を監視し、すみやかに識別し機種も判明していた」と発表している。
 本来は防空識別圏に進入されようとも発表する必要はないのだが、通常の防空識別圏としてやるべき仕事はちゃんとやっていたというアピールだ。

 ただし中国式防空識別圏としての義務は果たしていないように思われるのだが。
 大々的に発表したルールは中国軍の手足を縛るものとなり、「ちゃんと仕事をしているのか」とネットユーザーが突き上げる口実を与えてしまった。

 23日のルール発表後、中国側は義務を意味する言葉を使用しなくなっている。
 代わりに多用されているのが
 「各関係者は積極的に協力し、ともに飛行の安全を守ってほしい
という言葉。
 中国式防空識別圏から通常の防空識別圏へと軌道修正を図っているようにも読める。

◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち・こうた)
翻訳家、ライター。豊富な中国経験を活かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月29日 18時33分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79843&type=0

「恥さらし識別圏」「ずる賢い韓国を警戒すべき」
=中国の防空識別圏、政府批判が拡大―中国版ツイッター

 2013年11月29日、中国が東シナ海に防空識別圏を設定して以来、多方面から反発や抗議が出ている。
 とりわけ、日米韓の航空機が中国に事前通知なく同圏内を飛行したことは、中国のネットが大きく反応。
 他国を批判し、中国を擁護する意見が多くみられる中、防空識別圏まで設定しながら、何の反応も見せない政府を批判する声が相次いでいる。
 以下は中国版ツイッターに寄せられた政府を批判する意見の代表的なコメント。

●.「防空識別区より蘇岩礁(韓国名:離於島)だ。
 ここは中国のものではないのか?
 なぜ韓国軍航空機の進入を許した?」
●.「米国に“張子の虎”と言われるわけだ」
●.「もはや“防空識別圏”というのもおこがましい。
 中国のは“恥さらし識別圏”と呼ぶべきだ

●.「挑発するということは、他国の批判を懸念し戦争を仕掛けたくないからだ。
 中国は先制するべきか否か。
 一番良いのは他国の支持を獲得することだ。
 中国の指導者は今支持を得るために躍起になっているだろうが、日本は数カ月前からすでに始めている」
●.「悲しい。共産党よ!祖国よ!政府よ!反撃を!」
●.「警戒すべきは韓国だ。
 少なくとも日本は正面からぶつかってくる。
 米国も態度がはっきりしている。
 この2カ国は正直だと言っても良い。
 一方、韓国は反日をうたい中国との連携を望んでいるようにみせているが、今では長い物にまかれて中国を叩いている。
 何てずる賢い国だ」



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月29日 19時13分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79825&type=0

中国の防空識別圏の設定、米国というトラの尾を踏んだに等しい―日本メディア

 2013年11月28日、中国紙・環球時報は中国が23日に発表した防空識別圏(ADIZ)に関する日韓メディアの報道について伝えた。

 日本メディアは
 「中国の設定した防空識別圏には日本政府が在日米軍に提供している沖縄北部の訓練空域が含まれている。
 訓練中の米軍機は妨害を受ければ必ず反撃する。
 中国のやり方は米軍に戦いを挑むことと同じである」
とし、さらに
 「トラの尾を踏んだに等しい
と指摘。
 「現在は日中よりも米中の開戦の方が現実性を帯びていると言える」
と分析した。

 韓国紙・ソウル経済は27日、
 「アジアへの回帰を宣言した米国と、海洋大国を目指す中国は、今後一触即発の状態へ向かうのか? 
 東シナ海上での対立が深まるにつれて、両国の矛盾がますますエスカレートするとの見方が急速に広がっている」
と報じた。
 韓国紙・国民日報は
 「米中両国の軍事的対立に伴い、6月に両国が確定した良好な関係の方向が変化する可能性がある」
と指摘した。

 また、日本メディアは中国の反応に対して異なった推測をしている。
 あるメディアは、防衛省関係者の話として
★.「米国のB52爆撃機2機が中国の防空識別圏に進入した後、
 中国の偵察機と思われる航空機がB52と距離を保ちながら飛行していたが、接近することはなかった」
と紹介。
★.一方、別のメディアは「中国側からはスクランブルもなく、警告もなかった」と報じた。

 B52爆撃機が事前通知を行わずに中国が発表したばかりの防空識別圏を飛行した事実について、これらのメディアは
 「米国は中国の発表した防空識別圏を認めない、
 事前通知なども中国の要求に基づいては行わない、
 米国の軍事作戦行動はこれを原因として変更が生じることはない、
 という米国政府の立場を明確に示している」
との認識を報じている。
 さらに、
 「日米同盟の強固さを示す米国の明確なデモンストレーションは、中国に対する強烈なけん制である」
と分析している。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月29日 19時1分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79849&type=0

安倍首相、中国の防空識別圏に「冷静かつ毅然と対応」―日本メディア

 2013年11月29日、日本メディアによると、安倍首相は首相官邸で自民党の岩屋毅安全保障調査会長らに会い、中国に対する防空識別圏の早期撤廃を求める決議文を受け取った。
 安倍首相は「国際間で連携しながら、冷静かつ毅然と対応していく」と表明した。
 中国日報網が伝えた。

 菅義偉官房長官は記者会見で、中国空軍の報道官が
 「防空識別圏でのパトロールを常態化している」
と述べたことに対し、自衛隊が引き続き警戒・監視活動を行うと強調した。

 また、小野寺五典防衛大臣は記者危険で、中国が防空識別圏で設定したルールについて「中国側の主張は間違い」と指摘。
 中国側が提案した突発的な事態の発生を防ぐための協議については「中国側の主張を前提とした協議は受け入れられない」とした。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月29日 19時51分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79828&type=0

中国は自制せよ!防空識別圏内の武力衝突
=「日本は先制攻撃しない」―日本元防衛相

 2013年11月28日、中国が設定した防空識別圏に対し、森本敏元防衛相は香港・フェニックステレビの取材に応え、
 「公海上空に防空識別圏を設定することは問題ないが、
 圏内を飛行する際に通知を義務付け、
 通知なき場合は関連の措置を取るという行為は国際法の原則に違反する
と発言した。
 フェニックステレビ(電子版)が伝えた。

 米軍爆撃機や日本の自衛隊航空機は事前通知なしに中国指定の防空識別圏に進入したが、中国側は何らかの措置を取ることはなかった。
 それでも森本氏は
 「中国が設定した防空識別圏内で、領空侵犯に相当する措置を取るかどうかはまだわからない。
 日本は引き続き見守る」
と警戒を示した。

 さらに、同圏内で武力衝突が起きる可能性について聞かれた森本氏は、
 「日中には空軍間の対話手段がない。
 日本は問題がこれ以上発展することを望んでおらず、中国が自制することを願っている。
 自衛隊は引き続き警戒態勢を維持し、武器の使用基準も緩和されない。
 それでも、中国が武力を行使しない限り、日本から攻撃を仕掛けることはない」
と語った。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月29日 20時46分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79815&type=0

米爆撃機の中国防空識別圏への進入、
「米国が日本の味方だというわけではない」―英大学教授

 2013年11月28日、英BBC中国語版によると、中国が設定した防空識別圏を25日に米爆撃機B52、2機が飛行したことについて、専門家は「米国は決して日本の味方だというわけではない」との見方を示した。

 英ノッティンガム大学中国政策研究所の曾鋭生(ズン・ルイション)教授は、中国が設定した防空識別圏と重なる日韓の防空識別圏は、1950年代に米国が設定したものを後に受け継いだものだとし、
 「このことは防空識別圏をめぐる対立の構図が中国対日本・韓国ではなく、
 中国対米国であることを意味している」
と述べた。

 さらに同教授は、米国も中国と日本の領土問題に巻き込まれないよう気を使っていると指摘する。
 「防空識別圏に進入した米軍機が日本ではなく、自国領土の基地(グアム)から飛び立ち、途中、日本や日本の基地に立ち寄らなかった。
 これは、米国政府が『日本と共同して中国に対応する』ことを意味しておらず、『中国側の対応は多くの問題を引き起こす』という警告だ」
としている。
 
 さあて、この結果、なにが起こるだろうか。
このほうが推理としては面白い。
①.空軍の発言力が解放軍の中ではほとんど認められなくなる。
 やむえないだろう、。
 ここまで中国政府が外国からのみならず国内からも批判の的なり、栄光の解放軍にダメージを与えることになってしまっては、今後、空軍独自の出番はなくなった、といっても過言ではないと思えるる。
 さほどに今回の件は中国政府に傷を負わせたのいではないかと思うのである。 

②.次に、中国民衆の共産党への信頼感は薄らいでくる。
 弱腰批判に中国当局はさらされることになり、社会の不満が高まってくる。
 国内の不安定化に相当に寄与することになってしまった。
 なにしろ、当局に対するブーイングは大きい。

③.さらに、諸外国の中国を見る目が変わってくる。
 世界の常識も知らず、軍隊も張り子の虎にすぎず他が傲慢なだけの国家という蔑みになる。
 アジア周辺諸国の中国への信頼感は急激に低下することになる。
 その典型は韓国だろう。
 親中を掲げていただけに、米中のあいだでウロウロすることになってしまった。
 また、旧海洋大国であるイギリスは中国を「愚かな国」とのべ、オーストラリアは懸念を表明した。
 さらにEUも日中の仲介はできないと、どうでもいいことを言いはじめた。

④.アメリカはあきらかに中国に対抗する態度をとるようになる。
 これまで第三者的な態度でいたが、B52でみるように明確に中国への対抗意識をもつようになってきた。
 日中対立から米中対立へと雰囲気が移っているようである。
 日中問題に関しては、尖閣諸島は日本の施政権のなかにあると確認している。

 さて、問題は日本になる。
⑤.日本は中国のミスでポイントを稼いだことになり、一手打てる立場になったということになる。
 さて、日本はどんな策を次に打ってくるか。
 これが、見ものになってくる。
 おそらくは尖閣諸島がらみだと思うが。

 前を振り返ってみると、なんと幸運なことにすべて
 日本は「中国の敵失」でこれまで 点数を稼いでいた。
①.尖閣反日デモで2/3世紀の眠りから目覚め、
②.中国の反日恫喝によって過去に少々汚点を残した安倍さんがタカ派の内閣を再結成することになった。
 一度首相やめた人が改めて首相になるというのは戦後は珍しくなかったが、ここしばらくの日本の歴史の中では出会わなかった特別なことである。
③.そして、今度の防空識別圏ではアメリカがはっきりと中国に対向する態度を示して、尖閣の安全保障を確約している。
 一方、不幸なことに、
 中国は動くたびに日本に「敵失ポイント」をとられている。
 そのポイントをエネルギーにして、日本は「普通の国への道」を邁進することになる。
 ではその普通の国とはなにか?
 それはアメリカの助けを借りることなく
 「自力で日本領土である尖閣諸島を守りきる力を持つ国
になることである。
 自分の国を他国の手を借りずに自分で守れるようになること、
 おそらく、それが普通の国であり、日本の悲願なのだと思う。


【参考】

 辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書
570の専門辞書や国語辞典百科事典から一度に検索! 
http://www.weblio.jp/content/B52

B-52戦略爆撃機 別名:B-52爆撃機、B-52、B-52 ストラトフォートレス

米国空軍が導入している戦略爆撃機。全幅およそ56メートルと大型の機体で、最高時速は毎時1000キロメートル、連続航行距離は15000キロメートルを超える。

B-52戦略爆撃機は1960年代に実戦に投入された。ベトナム戦争などで絨毯爆撃を行ったことが知られている他、湾岸戦争やイラク戦争など、数々の戦争で戦略爆撃を行っている。旧式・前世代の装備と言うこともできるが、B-52戦略爆撃機は機体の改良が繰り返されつつ50年以上にわたって運用されてきており、2013年現在もなお現役である。

2013年11月23日、中国が尖閣諸島を含む東シナ海の海域を防空識別圏として設定したと公表した。これは当該空域が中国の領空侵犯に備えた哨戒の対象区域と設定されたことを意味する。米国は同月25日に、該当空域においてB-52戦略爆撃機2機による演習を実施している。
(2013年11月27日更新)

航空軍事用語辞典++
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航空軍事用語辞典++航空軍事用語辞典++
【B-52】(びーごじゅうに)

Boeing B-52 "Stratofortress(ストラトフォートレス)"

1950年代にボーイング社が開発し、アメリカ空軍で運用された8発ジェット戦略爆撃機。
初飛行は1952年の原型機であるXB-52。

本機は当初、メガトン級水爆を搭載する戦略爆撃機として開発され、F型までは水爆4発を搭載していた。
G型以降は核兵器以外にも爆弾倉、機外に計約30トンの爆弾、巡航ミサイル(初期はAGM-28「ハウンド・ドッグ」を搭載、後にAGM-69 SRAMやAGM-86 ALCM。いずれも核弾頭装備)などを搭載可能で、ベトナム戦争においては編隊飛行による戦略爆撃でその能力を発揮している。
このことから、当時のベトナム人は「死の鳥」と呼んで恐れた。

本機はSAMの射程外である高々度からの爆撃を主眼において開発されたが、後にSAMが技術進歩により高々度目標を攻撃可能になったため、G型からは地形追随飛行が可能となっている。
しかしその後B-1、B-2が配備されると彼らにその役目を譲り、本機はもっぱら巡航ミサイル母機、安全な地域での爆撃機としての役割を果たしている。
だが、アフガニスタンやイラクではJDAMを搭載しての近接航空支援を行うという事例もある。

初期型のB-52Aを筆頭に、B~Hまでの派生型があったが、このうちG型までは既に退役しており、現在就役しているのは、最終量産型のH型のみである。
初飛行から半世紀以上が経過しているが、後継機として開発されたB-1、B-2がとにかく高価であったため(B-52と比べてB-1Bは約7倍、B-2は約70倍)、延命・近代化改修により、2040年頃までは現役にとどまる予定となっている。

<<以下 略>>



 こう見てくると、今の日本を動かしているのは「中国の圧力」だということになる。
 そしてその中国を動かしているのは、「尖閣無人4島」ということになる。
 この島々が、戦後2/3世紀にわたった日本の眠りを覚ましてくれると同時に、強力なエネルギーを吹き込んでくれたことになる。
 まさに尖閣諸島とは「日本の救世主」であり「打ち出の小槌」であり、「力の源泉」とも言えることになる。
 これでは太閤様ならぬ「尖閣様」である。
 国会議事堂の前の庭に「尖閣大神宮」を建立してもいいくらいに思える。

 もう一つ加えると、この仕掛け人は民主党の野田政権であった
ということである。
 野田さんは、北海道の戦車部隊を九州に移送して大分で、中国の沖縄上陸を想定しての軍事演習をやった。
 こういうことは、それまで行われたことはなかった。
 野田さんというのは随分思い切ったことをするものだ、ヤバイのではないかと思ったが、これに対する国民の反対はなかった。
 野田さん自身、お父さんは自衛隊員ということで、自衛隊に対するアレルギーがなかったのだろう。
 次にやったのがいわゆる尖閣問題となる、民間からの尖閣諸島の買い上げである。
 不思議なことだが、対中国への事は、自民党ではなく民主党が最初にやっている、
ということである。
 自民党はただそれを引き継いだにすぎない。
 官僚的実務処理については自民党のほうがはるかにたけている。
 そこで民主党の放った小さな矢を、あっと言う間に大矢に変えている。
 民主党がやった尖閣決断だから、これまでは与党のやることに「なんでも反対」であった野党になった民主党は反対姿勢をとることができなくなってしまった。
 これに公明党や維新の会が加わると、もう国民一丸の状況になる。
 反対するのは左寄りの社民党や共産党ぐらいなものになってしまった。
 歴史とは実に面白い。
 民主党という野党勢力が政権をとったときに、
 日本を2/3世紀ぶりに変える事変が発生している、
ということになる。
 自民党はそれを継承処理する仕事をやっているにすぎない。
 日本の歴史の流れからみると、
 大仕事をやらかした民主党、
 日本を覚醒させた民主党
ということになる。
 タカ派自民党のやっていることは、
 民主党が作ったレールの上を走っている
にすぎない、ということになる。






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