2013年11月26日火曜日

中国防空識別圏(6):米国も容認せず、第3次世界大戦の引き金になるか?

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●中国が設定した防空識別圏


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月26日 17時38分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79625&type=0

激化する北東アジアの対立=「第1次世界大戦のきっかけとなった“サラエヴォ事件”が再び起きる」―華字メディア


●25日、米華字メディア・多維新聞は、日中および朝韓の対立によって緊張が高まっている北東アジアでは、第2の“サラエヴォ事件”が起きる可能性があると伝えた。資料写真。

2013年11月25日、米華字メディア・多維新聞は、日中および朝韓の対立によって緊張が高まっている北東アジアでは、第2の“サラエヴォ事件”が起きる可能性があると伝えた。

23日、中国は東シナ海の防空識別圏の設定を正式に発表したが、中国側が設定した識別圏は日本の識別圏と大幅に重なっているだけでなく、尖閣諸島(中国名:釣魚島)がその範囲に含まれていたことから、日本や米国の強い反発や警告を招いている。

また、朝鮮半島においても、23日は「延坪島砲撃事件」からちょうど3周年に当たることから、韓国と北朝鮮はこの問題をめぐって新たな“ののしり合い”を展開している。
韓国が22日、延坪島砲撃事件3周年を記念して軍事演習を行ったことに対し、北朝鮮は「再び挑発すれば青瓦台を火の海にする」と警告している。

長期にわたり、北朝鮮の核問題や尖閣諸島問題などで北東アジア情勢は不安定な状態にある。
日中両国が東シナ海で徐々に軍の存在感を強めるにつれて、同海域で不測の事態が生じる可能性は高くなっている。
加えて、朝韓も絶えず互いをけん制し合っている。
北東アジアの火薬の臭いは日増しに濃くなっており、一歩間違えれば第1次世界大戦のきっかけとなった“サラエヴォ事件”が再び起きる可能性がある。



Wikipediaより
  サラエヴォ事件とは、1914年6月28日にオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝・国王の継承者フランツ・フェルディナント夫妻が、サラエヴォ(当時オーストリア領、現ボスニア・ヘルツェゴビナ領)を視察中、セルビア人の青年ガヴリロ・プリンツィプによって暗殺された事件。
この事件がきっかけとなって、第一次世界大戦が開戦した。



ウォールストリートジャーナル     2013年 11月 26日 13:45 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303735804579221010173808056.html?mod=JWSJ_EditorsPicks

【社説】中国の防空識別圏設定は無謀な瀬戸際政策



中国国防省は22日、日本の尖閣諸島を含む東シナ海の上空に防空識別圏を設定すると発表した。
中国のこの瀬戸際政策は武力衝突や、2001年に発生した中国の戦闘機と米国の偵察機EP-3の接触事故に似た事態が発生するリスクを高めるものだ。
そうした事態が起これば、米国の関与が強まるのを避けることは難しくなろう。
米国は日本を防衛面で支援するという条約に縛られているためだ。

米国のケリー国務長官とヘーゲル国防長官は直ちに、中国の動きは尖閣諸島をめぐる状況を力で変えようとするものだと非難した。
ケリー長官はまた、上空飛行の自由を脅かすものだとの見解も示した。

防空識別圏は米国や日本のほか諸外国も設定しており、圏内に進入する航空機は正体を明らかにしなければならない。
だが、今回の中国の措置には重大な違いがある。
中国は防空識別圏を飛行する航空機に対し、領空に侵入する意図があるのか、もしくは防空識別圏をただ通り抜けるだけなのかに関わらず、中国側の指示に従うよう要求し、従わない場合は武力による緊急措置を取ると宣言した。

これは2001年のEP-3の衝突事故と国際水域での米海軍艦艇に対する中国の嫌がらせを思い起こさせるものだ。
中国は排他的経済水域に諸外国の軍用船や軍用機が進入するのを阻止しようとしている。
これは重大な国際法違反で、許されるものではない。
オバマ大統領によるアジア重視の姿勢が確かなものであり続けるのならなおさらだ。

中国の発表は尖閣諸島の領有権問題で日本を交渉の席につかせるよう圧力をかける意図があったのかもしれない。
中国の王毅外相は9月、領土問題が存在することを日本が認めるならば、中国は話し合いを始める意思があり、おそらく緊張に歯止めがかかるだろうと述べた。
一方、日本は尖閣諸島の領有権には議論の余地がなく、話し合う必要があるのは中国の挑発的な行動だけだとの立場をとっている。

中国は精神医学でいう「受動攻撃性行動」や、少しずつ目的を遂行する「サラミ法」戦術に長けており、降伏か衝突かの二者択一を余儀なくさせる立場に相手を徐々に追い込んでいく。
だが、今回は行き過ぎかもしれない。
中国が宣言した防空識別圏は米国と日本に拒否を強いただけだからだ。

日本が中国の防空識別圏は「全く受け入れられない」と宣言した際、中国国営の英字紙グローバル・タイムズは、日本の防空識別圏を考えればこの反応は「偽善的で厚かましい」と非難した。
中国は、尖閣諸島周辺への中国軍による数多くの侵入に対する批判に傷ついているのかもしれない。
しかし、防空識別圏を創設したからといって、精神的なバランスがとれるわけではない。

尖閣諸島周辺への支配力掌握のために武力の使用を試みようとしていることによって、
 中国は露骨な侵略行為に徐々に近づいている。
仮に中国の目的が尖閣諸島の現状について日本を話し合いの席につかせ、平和的な解決にこぎつけることだとすれば、中国の瀬戸際政策はその可能性を一層遠ざけてしまった



Wikipediaより
サラミ戦術とは、敵対する勢力を殲滅または懐柔によって少しずつ滅ぼしていく分割統治の手法である。
アラン・ブロックとオリーバ・スタリーブレスが共編した現代思想辞典による、この単語が初めて登場したのは1940年代後半で、反修正主義者のラーコシ・マーチャーシュがハンガリー共産党で発言した時の造語とされる。
ラーコシはこの場で「(非共産主義者を)サラミをスライスするように殲滅させる。」と発言した。
彼は反対派にファシスト(あるいはせいぜいファシストシンパ)であるとレッテルを貼り、共産主義者とその協力者の独裁体制が完成するまで、まず右翼を、そして中道主義者、左翼の中の意に沿わない者をもスライスして行った。



ニューズウイーク 2013年11月26日(火)15時34分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/11/post-3114.php1

中国「防空識別圏」設定はアメリカのリスク
Why Are Japan and America So Concerned?

尖閣諸島も「防空識別圏」に含めた中国に日本は猛反発。
中国の本気度は未知数だが

中国政府は23日、東シナ海で戦闘機による緊急発進(スクランブル)の判断基準となる「防空識別圏」を初めて設定したと発表した。
問題は、その地域に沖縄県・尖閣諸島が含まれていることだ。
同地域は日本の防空識別圏にも設定されている。
今回の発表を機に、日中間の軍事的な緊張が一段と高まるのではないかとの懸念が強まっている。

国防省の楊宇軍(ヤン・ユージュン)報道官は同日、防空識別圏の設定は
「いかなる特定の国や目標を想定したものではない」
と主張した。
しかし、これを額面通りに受け止めるのは難しい。
中国側は、防空識別圏を飛ぶすべての航空機はその身元を明らかにしなければならないとし、中国の指令に従わない航空機に対しては「防御的な緊急措置を講じる」可能性があると強調した。

予想通り、今回の発表を機に日中間では非難合戦が高まっている。
またジョン・ケリー米国務長官も、今回の中国の決定に「深い懸念」を表明した。

今回設定した防空識別圏を技術的に守る力が中国にあるかどうかは測りきれない部分もある。
そもそも今回の動きは本気なのか、それとも尖閣諸島に関してより強い姿勢を打ち出すべきだとする国内の強硬派をなだめるための政治的ジェスチャーに過ぎないのか。

発表と時を同じくして、中国は情報収集機を尖閣諸島周辺に派遣。
日本の航空自衛隊が戦闘機を緊急発進させる事態となった。
幸い、中国機がすぐに退去したので緊迫した状況は早々に収まったが、 偶発的な事故や行き過ぎた行為がいかに簡単に制御不能の状態にエスカレートし得るかを示唆する一件となった。

アメリカでは、尖閣諸島をめぐる対立についてはあまり報じられないし、アメリカ人は概して日中両国が思っているほどこの問題を気にかけていない。
しかし好むと好まざるとに関わらず、アメリカは今後もこの問題に巻き込まれるだろう。
そして日中双方の感情の高まりを見る限り、大半のアメリカ人が思っているよりはるかに危険な状況にあると言えるだろう。

by ジョシュア・キーティング



AFP BBニュース 2013年11月26日 10:23 発信地:ワシントンD.C./米国 【写真】 【ブログ】
http://www.afpbb.com/articles/-/3003961

中国の防空識別圏、米国も容認せず


●沖縄県・尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands、2012年9月19日撮影、資料写真)。(c)AFP/Antoine Bouthier

【11月26日 AFP】
中国政府が尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)を含む東シナ海(East China Sea)の広範囲の空域を「防空識別圏(ADIZ)」に設定したことについて、米国政府は25日、日本政府と同様に認めない考えを示した。

中国が防空識別圏を設定し、同圏内を飛行する航空機は中国の指示に従う必要があると発表したことにより、周辺地域における軍事的緊張は急激に高まっている。
日中両政府は、防空識別圏の設定をめぐり、互いの駐在大使を呼び抗議した。

安倍晋三(Shinzo Abe)首相は中国が設定した防空識別圏を認めず、主権問題にて譲歩する気はないとしている。
25日の参議院決算委員会では、中国の行動は「不測の事態を招きかねず非常に危険だ」と、強い懸念を表明。 
中国に対して自制を促した。

韓国と台湾の両政府も同様の考えを示しており、安倍政権が韓台と足並みをそろえた珍しい事例となった。

米国のジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)大統領副報道官は25日、政府専用機内で記者団に対し、中国による防空識別圏の設定について「不必要に挑発的」と述べ、同地域における問題は外交的に解決されるべきと述べた。

また、同盟国の日本と韓国に約7万人の兵士を駐留させている米軍も、中国による防空識別圏は地域の安定を乱すとして、順守しない方針を示している。

米国防総省のスティーブ・ウォーレン(Steve Warren)報道官は、
「この空域を飛行する際、われわれは飛行計画を提出するつもりはない。
(航空機を識別するための)応答装置や双方向無線通信の周波数、識別のためのロゴについても明確にはしない。
中国はこれらを順守するよう公に求めている」と述べた。

(c)AFP/Shaun TANDON




【*****新中華帝国の暴走*****】



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