2013年11月24日日曜日

中国防空識別圏(1):アジアのトラブルメーカー中国、一触即発の危機へ積極誘導

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●.23日、中国中央テレビ(CCTV)は、中国政府が発表した防空識別圏に対し、日本側は強く反発していると伝えた。写真は中国(赤)と日本(黄)の防空識別圏。


「中国国際放送局日本語版」2013年11月24日
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2013-11/24/content_30687747.htm

 中華人民共和国東海防空識別圏航空機識別規則公告

中華人民共和国国防省は中国政府の東海防空識別圏設定に関する声明に基づき、東海防空識別圏航空機識別規則を以下のように公告する。

一.中華人民共和国東海防空識別圏(以下、東海防空識別圏)を飛行する航空機はこの規則を順守しなければならない。
二.東海防空識別圏を飛行する航空機は以下の識別方式を提供しなければならない。

(一)飛行計画識別。東海防空識別圏を飛行する航空機は中華人民共和国外務省または民間用航空局に飛行計画を通報しなければならない。
(二)無線通信識別。東海防空識別圏を飛行する航空機は双方向の無線通信連絡を開きこれを保持し、適時に的確に東海防空識別圏管理機関またはその授権機関の識別質問に答えなければならない。
(三)応答機識別。東海防空識別圏を飛行する航空機は二次レーダ応答機を搭載した場合、全行程で開かなければならない。
(四)マーク識別。東海防空識別圏を飛行する航空機は、関連の国際条約の規定に基づいて、国籍と登録識別マークをはっきりと表示しなければならない。

三.東海防空識別圏を飛行する航空機は東海防空識別圏管理機関またはその授権機関の指令に従わなければならない。識別に協力しない、または指令に従わない航空機に対し中国の武装部隊は防御のための緊急処置を取る。

四.東海防空識別圏管理機関は中華人民共和国国防省である。

五.この規則は中華人民共和国国防省が解釈の責任を負う。

六.この規則は2013年11月23日午前10時より施行とする。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月24日 12時23分

「中国防空識別圏設定」への日本の反発に中国も注目―中国メディア
 2013年11月23日、中国中央テレビ(CCTV)は、中国政府が発表した防空識別圏に対し、日本側は強く反発していると伝えた。

 中国の防空識別圏設定の知らせをうけ、外務省の伊原純一アジア太洋州局長は韓志強(ハン・ジーチアン)駐日公使に電話で抗議した。
 また、小野寺五典防衛相も直ちに幕僚らと協議し、中国に対して監視を強化することを確認した。

 日本のメディアも防空識別圏が尖閣諸島を含むことについて大きく報道している。 
 日本メディアは中国の動向に注目しなければならないと考えており、このメディアの対応が日本政府の反応を増大させる一因ともなっている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月24日 7時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79533&type=0

中国が東シナ海に防空識別圏を策定、日中戦闘機の対峙局面が増加―中国メディア

2013年11月23日、BBC中国語電子版は記事「中国、東シナ海に防空識別圏を策定」を掲載した。

23日、中国国防部は東シナ海に防空識別圏(ADIZ)を策定したと発表した。
同日午前10時(中国時間)より効力を発揮する。防空識別圏に進入する航空機はフライトプランを中国当局に提出すること、中国当局の指示に従うことが要求される。
従わない場合は
「防御的緊急対応をとる」
ことが予告されている。

中国国防部の楊宇軍(ヤン・ユージュン)大佐は防空識別圏は国際法にかなったもので問題はなく、民間機の運用に影響を与えるものではないと強調した。
しかし問題は中国が策定した防空識別圏が尖閣諸島上空をも含むこと。
日本メディアはスクランブル発進した日中戦闘機が対峙する場面が増え、緊張はさらに高まると予測している。



日本経済新聞  2013/11/23 18:45 (2013/11/23 22:31更新)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2300M_T21C13A1MM8000/

 中国が東シナ海に防空識別圏 尖閣も対象


●23日、尖閣諸島北方を飛行した中国軍のTU154=防衛省統合幕僚監部提供・共同

【北京=島田学】中国国防省は23日、東シナ海で戦闘機による緊急発進(スクランブル)の判断基準となる防空識別圏を設定したと発表した。
沖縄県・尖閣諸島上空の日本の防空識別圏と重なる地域で、日中間で軍事的な緊張が一段と高まるとの懸念が強まっている。
外務省は同日、伊原純一アジア大洋州局長が中国の韓志強駐日公使に電話で厳重抗議した。

中国国防省は23日、防空識別圏の設定に関する「声明」と規則を定めた「公告」を発表。
同日午前10時(日本時間同11時)から施行した。

中国空軍は同日、大型偵察機などが新設した防空識別圏内を巡航したと表明。
日本の防衛省統合幕僚監部は中国のTU154情報収集機とY8航空機が同日、東シナ海を飛行し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進したと発表した。
情報収集機は尖閣諸島の領空の北方40キロメートルまで近づいた。

中国国防省の公告は、防空識別圏を飛ぶ航空機は
「国防省の指令に従わなければならない」
とし、
「指令を拒み、従わない航空機に対し、中国は防御的な緊急措置を講じる」
と強調した。
民間機は対象にならないが、日本の自衛隊機を念頭に不審機には中国軍が緊急発進で応じるとの方針を明記したものだ。

国防省の楊宇軍報道官は23日、防空識別圏の設定について
「国家主権と領土・領空の安全を防衛するためだ」
と説明。
「国際社会のルールにのっとったものであり、中国が自衛権を行使するために必要な措置だ」
と強調した。
尖閣諸島がある東シナ海では、日本はすでに防空識別圏を設定していたが、中国は未設定だった。

日本政府が2012年9月に尖閣諸島を国有化して以降、中国軍機や中国国家海洋局の航空機が、尖閣周辺の上空に接近する事例が相次いでいる。
日本が自衛隊機を緊急発進させて対応しているのを受け、中国では軍を中心に
「中国も緊急発進で対抗する仕組みを整備すべきだ」
との声が高まっていた。

楊報道官は
「いかなる特定の国や目標を想定したものではない」
と述べ、日本へのけん制を意図していないとした。
だが、尖閣国有化以降、中国政府は尖閣が中国の領土であることを前提とした制度の整備を着々と進めており、今回の防空識別圏の設定もその一環といえる。

12年末には国連に、東シナ海の自国領海の基線から200カイリを超える海域に大陸棚を延長する申請書を提出し、尖閣諸島を含む沖縄トラフ(海溝)まで大陸棚が延長できると主張していた。



CRI online 2013-11-23 18:15:43
http://japanese.cri.cn/881/2013/11/23/161s215032.htm

中国、東海防空識別圏の設定を発表

23日の午前、中国政府は東海防空識別圏の設定を発表しました。
これは、中国で初めての防空識別圏設定となります。
中国国防省の楊宇軍報道官は、
「これは中国が自衛権の効果的な行使に必要な措置であり、いかなる特定の国や目標にも対するものではなく、関連の空域の飛越の自由には影響しない」
と述べました。
中国の軍事専門家も、
「防空識別圏の設定は中国の防海と防空の能力を向上することや、国家主権と領土領空の安全を守ることにプラスとなる」
と述べました。

領空の概念とは異なり、防空識別圏の設定は主に主権国家の空域の安全を守るために設定した早期警告の区域で、領土安全を維持するための自衛措置です。

中国の軍事専門家・孟祥青氏は、
「防空識別圏は領空の概念ではなく、領空以外の早期警告の範囲の設定だ。
従って、防空識別圏を設定する基本的な原則の一つは防御、自衛のためだ。
その他の国の航空機が領空に誤って入る、または侵入することを防ぐためだ。
ある国の航空機が自国の領空に侵入しようとした場合、発見した後に対策を取っても間に合わない。
東海の一定の範囲内にこのような識別圏を設定する目的は、一旦航空機が識別圏に入ったら、我々はそれを識別、監視、管制できる。同時に緊急事態の場合、航空機が悪意をもって侵入したことを発見したら、戦闘機やミサイルを警戒状態におくなどの緊急措置を取ることができる。
これは自衛の措置だ」
と述べました。

事実上、防空識別圏を設定することは国際上の通行のやり方です。
1950年代以降、アメリカ、カナダ、日本などを含む20カ国余りの国が前後して自国の防空識別圏を設定しました。

中国が東海防空識別圏を設定する目的について、国防省の楊宇軍報道官は、
「中国政府が国際通行のやり方に従って東海防空識別圏を設定したのは、国家主権と領土領空の安全を守り、空中飛行の秩序を維持するためだ。
これは中国が自衛権の効果的な行使に必要な措置であり、いかなる特定の国や目標にも対するものではなく、関連の空域の飛越の自由には影響しない」
と述べました。

中国政府が防空識別圏を設定するやり方は「国連憲章」などの国際法と国際の慣例、及び中国国内の法律に合致しています。
これに関して、中国の軍事専門家の張軍社氏は
「『国連憲章』には、主権国家は同国の領空に入る他国の航空機に対して必要な条件と規則を設定する権利を持っていると規定されている。
そのため、空中の管制を適度に領空外に伸ばしても国家の主権と自衛権に関する国際法の原則と精神に完全に合致している。
また、中国の『国防法』、『民間用航空法』、『飛行基本規則』などの国内法は国の領土領空の安全と飛行秩序を維持することについて明確に規定している」
と述べました。

中国国防省が発表した声明と図によりますと、東海防空識別圏は最北端は北緯33度11分、最東端は東経128度20分、最南端は北緯24度45度に設置され、東海の幅広い空域をカバーしているとしています。

中国政府による公告は
「東海防空識別圏の管理機関は中華人民共和国国防省である。識別に協力しない、または指令に従わない航空機に対し中国の武装部隊は防御のための緊急処置を取る」
と指摘しています。
これに対して、楊報道官は
「海上方向からの空中脅威と正体不明の航空機に対して、中国は状況によって適時に識別、監視、管制、処理などの相応の措置を講じて対応する。
関係方面が協力して飛行の安全を共同で維持するよう希望する。
中国は一貫して、各国が国際法に基づいて飛越する自由を享有することを尊重する。
東海防空識別圏の設定は関連空域の法的性質を変えるものではない。
国際航空便の東海防空識別圏の正常な飛行活動はいかなる影響も受けることはない」
述べました。

長い海岸線を持つ国として、中国はほかの空域でも防空識別圏を設定するかどうかについて楊報道官は
「関連の準備作業が整えば、適切な時期にほかの空域で防空識別圏を設定する」
と語りました。



2013/11/24 08:35   【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112401001413.html

米、中国に「強い懸念」伝える 防空識別圏設定で

【ワシントン共同】
米政府は中国が東シナ海上空に防空識別圏を設定したことに関し、地域の緊張を高めるとして「強い懸念」を中国側に伝えた。
ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)が23日、明らかにした。
ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官も防空識別圏設定を批判する声明を出した。
中国側が反発するのは確実だ。

NSCは、中国による防空識別圏設定は「米国や同盟国の利益に影響を与える」と批判。
日本が実効支配する沖縄県・尖閣諸島に日米安保条約が適用されることを念頭に置いているとみられる。



ロシアの声 23.11.2013, 15:48
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_23/chuugoku-nihon-kougeki/

日本 防空識別圏設置をめぐり中国に抗議



   中国国防省が東シナ海に防空識別圏を設置した事に関連して、日本外務省の伊原純一アジア太平洋局長は、23日電話で、東京の中国大使館に抗議の意思を伝えた。
なおこのゾーンには、日中間でその領有をめぐり意見が食い違っている尖閣(中国名ジャオユイダオ)諸島が含まれている。

  共同通信によれば、電話での抗議内容の詳細については明らかにされていないが、防衛省のある高官は、中国政府の今回の措置について
「中国は、そうした行動を取ることで、島が自分達のものだと直接主張しているのだ」
と強調した。

   専門家らは、中国政府が防空識別圏を設けたことで、日本との経済関係にこのところ見られていた改善の兆候に深刻な影響が出るかもしれないと見ている。
今週初め、日本の実業界の代表団が北京を訪れ、ワンヤン(汪洋)副首相らと会談し、交渉結果について岸田外相は、極めて肯定的は評価を与えていた。



ウォールストリートジャーナル     2013年 11月 23日 17:53 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304152804579215271358237070.html?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

中国、尖閣上空などに防空識別圏設定―日中の軍用機衝突の恐れ

【北京】中国国防省は23日、沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)の上空を含む東シナ海に防空識別圏を設定したと発表した。


●尖閣諸島付近の海域をめぐって対立を続ける中国海警局と日本の海上保安庁の巡視船

中国の防空識別圏を飛行する外国の航空機は飛行計画を明らかにした上で、中国軍の指示に従わなければならない。
日本の防空識別圏と重なっているとみられ、専門家は尖閣諸島周辺で中国と日本の軍用機が衝突する可能性の高まりを指摘している。

米政府関係者は中国と日本の軍用機が衝突するようなことになれば、日中が軍事対立に突入する恐れがあり、米国も引きずり込まれる可能性があるとの見方を示している。
米国は日米安全保障条約に基づき、日本を守る義務がある。

中国国営の新華社通信によると、中国国防省は23日に発表した声明の中で、設定した防空識別圏は同日午前10時に発効すると述べた。

国防省は「中国軍は識別に協力しない航空機や指示に従うことを拒否する航空機に対応するための防衛的な緊急措置を講じる」と述べた。
また、新華社は防空識別圏と地図を合わせた座標を発表し、防空識別圏内に尖閣諸島が含まれていることを示した。

日本など多くの国が防空識別圏を設定、接近する外国の航空機を認識したり、交信したり、迎撃する権利を有している。
日本の防空識別圏は海岸線から200海里に設定され、領空よりはるかに広い。
昨年、日本政府が尖閣諸島の一部を民間人の所有者から買い取ったことをきっかけに尖閣諸島をめぐる日中の対立が激化、これ以降、中国の航空機が尖閣諸島に近づくと、日本は繰り返し戦闘機を緊急発進させている。

中国は日本が尖閣諸島周辺に定めた防空識別圏と領空の正当性に異議を唱えている。
中国は防空識別圏がなかったにもかかわらず、日本の緊急発進に対して戦闘機を発進させたことがある。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月24日 14時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79552&type=0

中国防空識別圏には東シナ海ガス田「白樺」も含まれる―中国メディア

 2013年11月24日、中国青年網は、中国政府が23日発表した防空識別圏について、日中両国が領有を主張している尖閣諸島及び東シナ海ガス田の一部(白樺・中国名は春暁)などを含んでいると報じた。

 中国側は防空識別圏において指示に従わない航空機に対し、武力による緊急措置をとる。
 日本政府は23日駐日公使に対して電話で抗議し、話し合いを持ちかけたが拒絶された。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月24日 15時6分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79558&type=0

「防空識別圏は対日措置ではない」、別の空域にも設定予定―中国国防省


●24日、中国国防省の楊宇軍報道官は、中国が23日に発表した防空識別圏について記者の質問に答え、特定の国家を対象にしたものではないと回答した。写真は中国の発表した防空識別圏。

2013年11月24日、中国国防省の楊宇軍(ヤン・ユージュン)報道官は、中国が23日に発表した防空識別圏について記者の質問に答え、特定の国家を対象にしたものではないと回答した。新華社が伝えた。

楊報道官は、
「中国が防空識別圏を設置したのは最近の地区情勢が関係しているのではないか」
という質問に対し、防空識別圏は安全保障の観点から有効に自衛権を行使するため必要な措置であり、特定の国家を対象としたものではないと述べた。
さらに他地域の空域にも防空識別圏を設定する予定はあるのかとの質問には、準備が整えば設定していくと答えた。


「人民網日本語版」2013年11月24日
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2013-11/24/content_30687986.htm

 中国の防空識別圏設定の意義

中国政府は23日、東中国海に防空識別圏を設定したと発表するとともに、航空機識別規則公告と識別圏図を発表した。

「中国による東中国海防空識別圏の設定は、国際的慣行に沿ったものだ」。
軍事専門家の孟祥青氏は
「国際法の基本原則に違反せず、他国の領土主権を侵害せず、国際的に一致して認められた飛行通過の自由に影響しさえしなければ、主権国家は防空識別圏を設定するか否か、いつ設定するか、どの範囲で設定するかを一方的に決定する権利を完全に有し、事前に他国の同意を得る必要はない。
東中国海防空識別圏の範囲は、国家の防空上の要請と飛行秩序の維持の必要に基づき決定されたものだ」
と述べた。

軍事専門家の尹卓氏は
「現在および今後一定期間、中国の安全保障環境は複雑だ。東中国海の防空識別圏の設定は、まさにこの状況の推移上の要請に基づく、領土・領空主権と安全を維持するための正当で合法的な措置だ」
との認識を示した。

防空識別圏は海に面した国または地域が海空防衛・安全保障上の必要に基づき海洋の上空に設定する特定の空域で、実質的に国防の必要に基づき設定する早期警戒区域だ。
防空識別圏は米国が1950年に初めて設定して以来、現在までに20以上の国や地域が設定している。

専門家は、中国が防空識別圏設定の詳細を発表したのは、軍事的透明性を高める重要なステップだと指摘。
軍事専門家の張軍社氏は
「東中国海防空識別圏の設定により、中国の防空・早期警戒能力が高まるだけでなく、外国の航空機との軍事的ミスジャッジを回避することもできる。
外国の航空機がこの空域に進入する場合、通告またはその他規範的措置を講じる必要がある。
これは双方が海空の状況を速やかに把握するうで重要な役割を果たす」
と表明した。







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