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朝鮮日報 記事入力 : 2013/11/30 11:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/30/2013113000623.html
中国防空識別圏:米中、前例なき武力アピール
東シナ海・南シナ海に兵力集結…軍事的緊張高まる
「空母には空母、戦闘機には戦闘機」
中国の防空識別圏設定で北東アジアの安保状況が激震する中、同圏内の海上・上空には米国・中国・日本の軍事力が集結しており、軍事的緊張が高まっている。
米日による「防空識別圏無能力化」への試みと、中国による「既成事実化」への試みがぶつかり合えば、
「物理的な衝突」に飛び火する可能性がこれまで以上に膨らむものとみられる。
29日には米日が中国の防空識別圏に哨戒機・偵察機・早期警戒機・戦闘機など10機を一挙に進入させたのに対し、
中国が「スホーイ30(Su30)」や「殲11(J11)」といった主力戦闘機を緊急発進させたのは、こうした「最悪のシナリオ」が杞憂(きゆう)でないことを示している。
双方が物理的衝突を意図していなくても、同域内に軍事力が異例の集結をすることで対峙(たいじ)し、偶発的に衝突が起こる可能性は否定できない。
中国国営の環球時報は29日
「この20年間で同圏内にこれほど多くの軍事力が集結したのは初めてだ。
3カ国の空母級艦船が監視し合ったり、軍事力をアピールしたりすれば、狭い海峡で衝突する可能性がある」
と報じた。
■米中日の軍事力がこれほど集結するのは異例
米国と日本は、中国に対し「防空識別圏設定を撤回せよ」と要求しているが、中国がこれに応じる可能性はゼロに近い。
このため米日は同日、B52戦略爆撃機をはじめP3哨戒機、 EP3偵察機、 E767早期警戒機、F15戦闘機などを相次いで同圏内に送り込み、中国の防空識別圏を認めないという「無視戦略」を展開している。
中国はB52が圏内に進入した当初は予想とは異なり静かに対応していたが、自国内で批判を受けたためか同日はすぐにSu30やJ11といった中国空軍の主力戦闘機で対抗した。
「今後は米日が防空識別圏に入るのを放っておかない」
という警告だ。
こうした双方の試みが繰り返されれば、物理的な衝突が現実になる可能性は高まる。
海上でも状況は同じだ。
現在、東シナ海や南シナ海の近くには空母や準空母級艦艇4隻が集結して武力アピールを行っている。
米空母「ジョージ・ワシントン」は沖縄近海で日本の自衛隊との共同演習をしており、米空母「ニミッツ」はフィリピン近くの南シナ海にいる。
排水量1万8000トンという日本の準空母級護衛艦「いせ」もフィリピンに到着した。
中国の空母「遼寧」は28日、台湾海峡を通過して南シナ海に入り、訓練を開始した。
「遼寧」が台湾海峡を通過する際、米日は上空や水面下から共同で船団を追跡、けん制していたことが分かった。
沖縄の嘉手納米軍基地から発進したP3C哨戒機・RC135偵察機・空母「ワシントン」のFA18戦闘機などが「遼寧」の航路を追跡した。
■偶発的衝突が戦闘拡大につながる可能性も
米紙ワシントン・ポストは
「防空識別圏問題で今すぐに米日と中国が武力攻撃を始める可能性は低い」
としている。
お互いをけん制してはいるが、双方とも実際に衝突するには代償が高すぎるからだ。
中国は最近、急速に軍事力を拡大させてはいるが、それでもまだ米国の軍事力には遠く及ばない。
今年の国防予算も1140億ドル(約11兆6700億円)で、米国の6270億ドル(約64兆2050億円)の5分の1程度だ。
今すぐに米国と正面衝突をするには負担が大きいだろう。
10年以上続いたイラク戦争やアフガニスタン紛争で極度の「戦争疲れ」に陥っている米国としても、どんな形であれ軍事衝突は避けたいはずだ。
しかし、本部でのこうした「合理的判断」にもかかわらず、軍事力が集結している現地ではいつ偶発的な衝突が起きてもおかしくないというのだから問題だ。
国際戦略の専門家らは
「偶発的な衝突が各国の国民感情を刺激すれば収拾がつかない事態に至ることもあり得る」
と見ている。
事実、過去にも東シナ海や南シナ海で米中が物理的な衝突の直前まで行ったケースがある。
今年6月、東シナ海の海上で中国の海洋監視船5001号が巡視活動をしていたとき、米海軍所属の音響測定艦と一時対峙するという事態が発生した。
中国側はこのとき「米国船舶がスパイ活動をしている」とすごんだ。
2009年には対潜水艦作戦中だった米音響測定艦「インペッカブル」を中国海軍の艦艇5隻が取り囲んで航行を妨害、交戦直前の状況までいった。
また、01年には米海軍のEP3偵察機が南シナ海公海上空で情報収集活動を行っていた際、中国がF8戦闘機を発進させ、空中衝突している。
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朝鮮日報 記事入力 : 2013/11/30 11:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/30/2013113000622.html
中国防空識別圏:「日本より米国の情報収集活動を意識」
最先端の装備で中国軍の動きを詳細に把握する米軍
中国沿岸ぎりぎりまで接近…内陸部にある軍事施設の情報も収集
中国、米軍のXバンドレーダーにも反発
中国が突然「東シナ海に防空識別圏を設定した」と宣言したのは、日本をけん制すると同時に、米軍機による情報収集活動を意識したものだと日本経済新聞が29日に報じた。
自衛隊は、尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる中国との対立が激化して以来、P3C対潜哨戒機はもちろん長距離レーダーを搭載したE2C早期警戒機も飛ばし、警戒・監視活動を強化している。
中国メディア「環球時報」は、防空識別圏宣言の最も重要な目標は日本をけん制すること、と伝えた。
環球時報は社説で
「中国は、防空識別圏を守るために米国まで目標にはしないだろう。
中国がやるべきことは、日本の挑発的な行為に断固対応すること」
と主張した。
しかし、自衛隊機の情報収集活動は中国にとって大きな脅威ではない、というのが日本の専門家らの見方だ。
自衛隊の偵察機は主に日本の領空内で活動しており、長距離レーダーを搭載したE2Cでも、尖閣周辺で活動できるのは4時間程度だという。
このため中国の措置は、自衛隊よりも米軍をけん制することが主な目的、という分析も出ている。
米軍は、電子偵察機EP3や無人偵察機グローバルホークを動員し、中国の沿岸部ぎりぎりまで接近して、中国内陸部にある軍事施設の情報も収集している。
米軍は先端装備を活用し、中国軍の作戦経路などを手に取るように把握しているという。
これは、有事の際に中国軍の作戦・移動を予測できるということを意味しており、実戦では勝敗を分ける決定的要因になりかねない。
中国は、米軍が北朝鮮のミサイル監視を名目として、長距離ミサイルの発射を監視できるXバンドレーダーを京都府に配備したことにも反発している。
また今年10月、中国海軍が西太平洋で演習を行った際、米軍や自衛隊は偵察機で監視活動を行った。当時、中国政府は監視活動に強く抗議した。
自衛隊の先端装備配備計画が中国を刺激したという分析もある。
日本は、最先端のレーダーを搭載し空中給油も可能なボーイングE737や無人偵察機グローバルホークを2015年までに配備するなど、独自の情報収集能力を確保する計画を打ち出している。
この場合、自衛隊の監視範囲は事実上中国内陸部の軍事施設にまで及び、中国にとっては新たな脅威になりかねない。
日本経済新聞は
「中国は、防空識別圏について直ちに実質的な措置を取ってはいないが、
航空戦力が増大した場合、事前の許可なく侵入する外国航空機の封鎖を試みる危険性がある」
と報じた。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年11月30日 20時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79859&type=0
<防空識別圏>米国の強い姿勢に中国はトーンダウン―米メディア
2013年11月28日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイトは記事
「日中対立における米国要素」を
掲載した。
中国が東シナ海防空識別圏策定を発表するや、米国は事前通報なしに2機の爆撃機を飛行させた。
その後、ヘーゲル米国防長官は日本の小野寺五典防衛相に電話し、尖閣諸島は日米安保の対象であることを再度強調。
中国の防空識別圏策定は米国の軍事活動に影響しないことを表明した。
また、12月初頭に日中韓を歴訪するバイデン副大統領も中国に防空識別圏問題へのメッセージを伝えると表明した。
その効果は明らかだ。
中国は当初、
協力しない、あるいは指示を拒む航空機に対しては、中国は武力をもって暴挙的緊急措置対策を取る」
と明言していたが、その後の中国外交部記者会見では
「状況と具体的な脅威に応じて相応の対応を取る」
とトーンダウンしている。
ただし米国のアクションは遅すぎたとロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのMichael Yahuda名誉教授は指摘する。
従来のあいまいな態度が中国に「つけ入る隙あり」と判断させ、東シナ海問題の緊張をこれほどなまでに高めてしまった
と指摘している。
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